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話法と論法2

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サークルの人の日記を読んでいたら、ふと思い出した事がある。

僕はサークルで、「誰かの意見に対して考えてるように見せている時は、既に腹の中ではその人の意見に対して反対しており、それに対してどう否定的な意見を言おうとしているかを考えているだけなのだ」という陰口を叩かれた事がある。こうはっきりと言っていたのは一人だけらしいが、結構な人数に似たような事を思われているような気がする。確かに僕は何か目新しい意見を自分で考えたり他人から聞かされたりすると、まず最初にその中のデメリットや論理的欠陥から考える傾向がある。これは数学の影響がやはり大きく、「正しい」事と「正しくない部分が存在しない」事が同値である事が関係していると思われる。つまり、何らかの意見を直接正しいか正しくないか判定するのは難しいので、意見を細かい要素に切り分けて正しくない部分を探すわけである。結果、おかしな所が見付からなければ賛成するし、見付かれば、それからその意見の良い部分を検討し、メリットとデメリットを天秤に掛けて賛成するか反対するか決める。

どうも上記のような陰口を言う人種というのは、このような手法を“極めてネガティブな思考”と考えるらしい。恐らくはまず最初にその中のデメリットや論理的欠陥から考えるという部分に過剰反応しているだけだと思うのだが、ちょっと考えればこっちの手法の方が合理的な事は確かな筈だ。というのも、メリットから考えると、その後で必ずデメリットについて考えなければ正確な判断は出来ないからだ。デメリットから考えれば、それが無ければ(そう思われれば)、すぐに賛成出来る。ほら、ステップが1段減る可能性があるじゃないですか。(←この使い方は正しいのか?)

ちなみに補足。ちょっとでも「デメリットが無いと判断したら即賛成出来るのは何故か?」という事を疑問に思った賢明なる方へ。この場合の“デメリット”というのは既存の意見と比較してのデメリットの事なのです。だから、それが存在しないという事は、明らかの新意見の方が上位である、というわけです。

さて。ここでさらに問題なのは実は人によってはもっと最速に決断出来る手法を持っている、という事だ。(多分、「誰かの意見に対して考えてるように見せている時は、既に腹の中ではその人の意見に対して反対しており、それに対してどう否定的な意見を言おうとしているかを考えているだけなのだ」と言ってる人は、その手の人だと思うのだが。)それは、『メリットから考え始め、そこまでで分析を辞めてしまう』という手法だ。これは確かに速い。勝てない。勿論僕は絶対にこういう考え方はしないが。

ところでメリットから考え始め、そこまでで分析を辞めてしまう人から見れば、僕のように何らかの意見を直接正しいか正しくないか判定するのは難しいので、意見を細かい要素に切り分けて正しくない部分を探すわけである。結果、おかしな所が見付からなければ賛成するし、見付かれば、それからその意見の良い部分を検討し、メリットとデメリットを天秤に掛けて賛成するか反対するか決めるという手法はやたらと冗長だろうし、第一、結果として意見に反対する確率が全く違う(こちらの方が圧倒的に高い)だろう。となると「誰かの意見に対して考えてるように見せている時は、既に腹の中ではその人の意見に対して反対しており、それに対してどう否定的な意見を言おうとしているかを考えているだけなのだ」と思われても仕方の無い事ではある。

多分両者の溝が埋まる事は無いと思うので、これはどちらにとっても不毛な議論だ。


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