月並な話で申し訳ないけど、「やるべき時にやる奴」ってのは、やっぱり圧倒的にカッコイイと思う。普段全然大した事無くても何か最後には普通は出来ないような事を成し遂げてしまう奴、ってのがカッコイイのは当然として、そこまでじゃなくても、日常生活の流れの中で微細な部分を読み取って対応してくれる奴とか。だから「やるべき時にやる奴」っていう言い方は微妙に間違っていて、正しく言い換えるなら「状況に応じた行動が出来る奴」って事になろうか？ 誤解されそうな際どい表現を使えば「相手の事を考えられる人」って事なんだけど、これだとちょっと激しい曲解をされそうで嫌だな……。まぁとにかく僕はそういう人間が好きで、実は自分自身の目標であったりもして、でもなかなか巧く行かなかったりで、まぁ世の中そんなにアマくないってわけですよ。あー厳しい。
なんていうか、例えばアニメに嵌ってる連中の事を“オタク”と呼んで、一般人の範疇から外れてるような事を言うけど、でもじゃあ僕が読書するのとかはどうなんだ、と思う。だって僕が本を読むのは、そこに潜ませてある文学性だとか社会性を読み取る事ではなくて、単純に僕が憧れてるような人間が描かれてたり、またはそれに近い考え方が提示してあったりするから読んでるだけで、所謂「自分の世界に閉じ篭ってて“オタクとされている”連中」と何も変わらない気がするからだ。
いや、アニメオタクを非難する人たちだって、「アニメが悪い」と言ってるわけではないのだ。日本で一番ヒットした映画はアニメだし、今だって熱帯魚が泳いでるだけで２００億円だとか言われてるじゃないか。国際的にも実写映画を押しのけて最高の賞を取る事だってあった。じゃあ何が悪いんだ？ 多分答えは単純で、「偏ってる」という事なんだろう。つまり「アニメばっかり見てるような奴は駄目だ、気持ち悪い」と。全くその通りだ。気持ち悪いと、僕も思うよ。
そうなるとさっきの事に戻るけど、じゃあ別の事に嵌ってる奴も、等しく駄目な奴なのかなー、と。少なくとも僕のような理由で読書してる奴とかは？ 良いの？ 悪いの？ わかんねーよ。でも何か駄目なんだと思うんだよな。そう思う人はいると思うんだよ。少なくとも一人はここにいるし。
でもさ、そもそも考えてみると、僕は「状況に応じた行動が出来る奴」ってのに憧れてるだけなんだよね。そういうキャラクターの出て来る小説を読みたい。でさ、この動機だけ聞くと、とても危ない奴には聞こえないと思うんだよ。他人が聞いたらさも興味無さそうに「はぁ、なるほど、頑張ってください」みたいな反応されるような。取り合えずまぁ異常は無い、と。
というわけで今回の結論は、「同じ物事なのに見る方向を変えると印象が変わり過ぎだろ、どうしてくれるんだ、責任取りやがれ、このやろー！」って事でした。何が良くて何が悪いのか、世の中はさっぱり分からん。