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『蜂』シリーズ2 〜ミツバチもワークシェアリングをしている

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ミツバチに対して“超個体”という言葉が使われる事がある。

一般に昆虫の化石は少ないと言われているが、ミツバチに関しては例外的に数多く発見されている。琥珀に封入された蜂の化石を見た事がある人は多いのではないか? 現在までに発見されたミツバチの化石で最古の物は3500万年前に出来たと推定されている。花粉を集める脚の構造から働き蜂と判断されている。従って少なくとも3500万年前からミツバチは地球上に存在していた事になる。しかし当時からミツバチが高度な社会性を有していたかどうかは分かっていない。3000万年程前に現在とほぼ同じ社会システムが出来上がった、という見方が有力視されている。

ミツバチは群単位で非常に秩序立った社会を形成している。昆虫の中には社会性昆虫と呼ばれる種が数多く存在しているが、ミツバチはその代表格と言える。そしてミツバチの社会性を特徴付けているのが仕事の分担、つまり分業である。

生物の基本単位は『個体』であるが、『個体』は生物としての昨日の纏まりを保つ“個体維持”と、その性質を次代に伝える“種族維持”の両方の性質を持っていなければならない。ところがミツバチは一つの個体でこの二種類の性質を持ち合わせている、という事が無い。では何故ミツバチは存在出来ているのか? その答が分業である。

ミツバチの社会は非常の発達しているので、二種類のカースト(階級)が個体機能を分担する事が可能なのである。即ち、種族維持機能を持つ女王蜂と、個体維持機能を持つ働き蜂という、二つのカーストである。ミツバチの持つ社会性は、しばしば人間の持つ社会性と対比されるが、両者の決定的な違いは此処に在る。人間は一つの個体(一人)で『個体』の二大機能を持っているが、ミツバチは一つの群でようやく『個体』の機能を満たす。それ故“超個体”と呼ばれるのである。


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