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国立大学の分離分割方式は無意味か?

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筑波大学が入学試験の分離分割方式を廃止するらしい。現在、国立大学の多くは前期試験と後期試験に分けて入試を行っている事が多い。定員の殆どの割合は前期試験に集中しているが、受験生にとってはチャンスが2回ある事になっている。これを前期1本に絞ってしまおう、という訳だ。ちなみに筑波大学の今年度の募集人数は前期が1154人・後期が328人で、大体8:2くらいの比率で学生を取っている。これは多くの国立大学とほぼ同じ割合である。

分離分割方式には様々な問題が有ると言われている。中でも大きいのは『少な過ぎる募集人数』と『複数の入試問題を作成する事の負担の大きさ』だ。が、これらの問題については今日は触れない。

筑波大学が分離分各方式を廃止する理由を「前期と後期で入って来た学生の間に学力の差異が見られないから」と説明している。しかし、ちょっと待って欲しい。それは少しおかしくないだろうか?

国立大学の後期試験は倍率こそ前期より大幅に高いが、これは前期に比べて後期の募集人数が圧倒的に少ない為である。しかも国立大学を受験する層は医学部受験生を除き、前期と後期では受験校を変えない(レベルを下げない)傾向が強い。つまり、後期試験は倍率が高いからといって、受験生のレベルが上がる訳ではない。さらに、後期試験は前期試験の不合格者が受験する訳だから「敗者復活戦」の要素も強い。一部を除き、寧ろレベルは下がっていると思う。

そのような状況の中で「前期と後期で入って来た学生の間に学力の差異が見られない」というのは、後期試験は役割を充分果たしていると言えるのではないだろうか?

また、前期試験だけで募集人数の学生を全て取るとすると、今度は純粋に1155位以降の、明らかに下位層が入学してくる事になる。そのような層が果たして(本来の入学者層である筈の)1154位までの層と同等の学力を持っている、という事が有り得るだろうか?

東京大学の調査では、特に理系に於いては入学時の学力差は卒業するまで埋まる事例が殆ど無いと言う。これは東大に限らず、多くの大学で共通の傾向に思える。

以上より結論。

国立大学の分離分割方式は「前期と後期で入って来た学生の間に学力の差異が見られない」ならば充分に機能している。


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