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赤球が出ると打ち止め説

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僕が小中学生の頃、「射精を3000回繰り返すと赤球が出て来て、もう射精を行えなくなる」という噂が頻繁に流れていた事がある。3000回という数字はともかく、「一生の内に作られる精子の数には限界が有る」という考え方はある程度の説得力を感じさせるものだ。恐らく今の小中学生の間でも真しやかに囁かれているのではないか?

「射精を3000回繰り返すと赤球が出て来て、もう射精を行えなくなる」という噂は、結果的には嘘だった。医学的には何の根拠も無い。ただ、「赤球が出る」という可能性は有る。精液中に血液が混じってしまう『血精液症』という症状がそれだが、通常は2,3週間もすれば自然治癒する。しかしそれで射精が出来なくなる、という事は有り得ない。

しかし「射精を3000回繰り返すと赤球が出て来て、もう射精を行えなくなる」という噂は最初に言ったように、「一生の内に作られる精子の数には限界が有るのではないか?」という説得力を有しており、その所為で3000回という数字も何となく信じてしまう人が多いのではないか。

実はこの“3000回”という数字がまた絶妙なのである。

『ウィキペディア』に寄れば、若い男性の平均的な自慰行為頻度は3〜4日に1度であるが、性的衝動や自制心による個人差が大きく、毎日行う者もいれば全く行わない者もいる、という事らしい。確かに自分や周りを鑑みると、それくらいが平均的な処だろう。中学生くらいだと1日1回のペースで行う者が割と多いと思う。僕もそうだった。

1日1回自慰行為を行う人間にとっては3000回という数字は8年掛かって達成出来る数値であり、噂が本当かデマかをすぐには確かめる事が出来ない。しかし3000回は間違いなく生きている間には到達してしまう数字でもある。12歳から自慰を始めた人は20歳で3000回だ。しかし当然ながら20歳で射精が出来なくなってしまっては非常に困る。

つまり3000回というのは、「すぐには確かめられない回数」だが「比較的若い年齢で達してしまう回数」でもある。小中学生はここに大きな不安を感じるのではないか。いつか書いたが、不安はデマを呼ぶ。よってここでデマが流行するスパイラルが形成される訳だ。デマが流れる→不安→デマがさらに流れる→さらに不安増大→…………

以上より結論。

「射精を3000回繰り返すと赤球が出て来て、もう射精を行えなくなる」というデマは、3000回という数字が持つ不気味な怖さが流行の一因である。


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