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『蜂』シリーズ12 〜ダイエットの大敵であるローヤルゼリー

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意外に思われるかも知れないが、女王蜂は自ら飛ぶ事が出来ない。女王蜂は体重が働き蜂の4倍もある為、純粋に重くて飛べないのだ。これはローヤルゼリーの影響である。実はローヤルゼリーには体重増加作用が有るのだ。

ローヤルゼリーと蜂蜜とは異なる物である。蜂蜜が花蜜から作られるのに対し、ローヤルゼリーは花粉から作られる。花蜜は殆ど糖質だが、花粉にはたんぱく質・ビタミン・ミネラル等の栄養素が豊富に含まれている。基本的にはローヤルゼリーの方が高級な食物であると考えて良い。

イギリスには「蜂蜜の歴史は人間の歴史である」という言葉が有る。それほど人間は古くから蜂蜜を愛用して来た。それに対しローヤルゼリーは今でこそ健康食品としての地位を確かなものにしているが、人類が始めてローヤルゼリーを食したのは僅か80年ほど前である。フランスでの事だ。日本は1958年に始めてフランスからローヤルゼリーを輸入している。

当時の日本ではローヤルゼリーは「不老不死の薬」として雑誌に紹介され、その知名度を一気に広めた。1959年のローヤルゼリー国内生産量は100キログラムだったのに対し、1962年には1500キログラムまで急増した。

こうなるとローヤルゼリーを大量に生産する必要が出て来る。人間が独自にローヤルゼリーを作る事は出来ないので、ミツバチに大量生産させる事になる訳だ。ところがミツバチが人間の為に必要以上にローヤルゼリーを作ってくれる筈が無い。ならば、ミツバチ達のローヤルゼリーの必要量を上げれば良いのである。

ローヤルゼリーが最も必要になる時期は女王蜂が成長している期間である。つまり“何らかの理由”で女王蜂が居なくなれば、働き蜂たちは再び女王蜂を育てざるを得ず、ローヤルゼリーの必要量は増す事になる。女王蜂が居なくなる“何らかの理由”――これを人間が作ってしまえば良い訳だ。

ちなみにローヤルゼリーの国内消費量は年々伸びており、1990年には299.5トンにまでなった。これは世界一の消費量である。しかし国内生産量は1977年の29.6トンをピークに減少を続けており、1980年代後半には8.6トンしか生産されなくなってしまった。現在では97%程度を輸入に頼っている。


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