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騎乗位推進論

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セックスの体位の世界標準は騎乗位である。

Durex社の調査結果によれば、世界で最もよく行われるセックスの体位は騎乗位で、全体の29%を占める。以下、後背位が28%、正常位が20%と続いている。この調査は15万人を対象に行われたもので、かなり信頼できる数値が出ていると思われる。

これは意外な結果だと思う。日本では圧倒的に、正常位が多数派だからだ。この日本と世界との乖離は、何なのだろうか?

正常位と騎乗位との最大の相違は、男女の位置関係だ。正常位では男性が、仰向けに寝ている女性に覆い被さるようにして、腰を動かす。対して騎乗位は、男性が仰向けとなり、女性がその上に跨るような姿勢をとって、腰を振る事になる。

ところが正常位と騎乗位は、男女の位置関係が入れ替わっただけの、シンメトリー(対称的な形状)ではない。騎乗位では男女共に両手が自由に使えるのに対し、正常位では男性側は少なくとも片手が自重を支えるのに使用される。

となれば、お互いの愛撫行為を考えた場合、明らかに騎乗位の方がやり易い。しかも騎乗位は正常位以上に、男性器をより深く女性器に挿入する事が可能である。

愛撫はやり易い。深い挿入も出来る。となれば、これはもう正常位よりも騎乗位の方が優れた体位であると言わざるを得ない。これが世界で最も行われている体位が騎乗位である理由だろう。

しかし、ここで重要なのは、正常位では男性側が、そして騎乗位では女性側が主導権を取っている、という事だ。セックスに於いて主導権を握るのは、自らの意思によって自身の身体を動かし、双方が快感を得られるようにしなければならない事を意味する。

経験者なら分かる事だが、これは割と大変な作業だ。「本当に相手が快感を得ているのか?」というのを別問題としても、純粋に肉体的な負荷が大きい。

セックスで主導権を握ると疲れる。これは事実だ。

ところで『憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向な日々』「女子高生はマグロか」によれば、日本人女性は女子高生に限らず、マグロ(セックスの時に仰向けに寝ているだけの人)が多いという。

つまり、日本人女性はセックス時に肉体的負荷を掛けたくない、という欲求が有る事になる。疲れる事は男性に任せ、自分は快感だけを享受する――そういう女性が多い訳だ。

従って、多くの日本人女性はセックスで疲れたくないので、主導権を取れる騎乗位を行わず、マグロでいられる正常位を好むのではないだろうか。

以上より結論。

正常位よりも騎乗位の方が優れた体位である。しかし日本人女性の多くは、自身がマグロでいられる正常位を好む。

そしてイイタイコト。

だが、敢えて言おう。セックスで、女性ばかり楽をさせては駄目だ。世界標準の体位は、騎乗位なのである。頑張れ、日本男児!


セックス時の体位は、少子化問題に影響を与えている可能性がある。

正常位よりも騎乗位の方が優れた体位なのに、日本人の多くは男性側に肉体的負荷の大きい正常位でセックスをすると書いたが、これは男女間でのセックスの満足度に大きく影響している。

Durex社の2003年の調査に拠れば、日本人の各年代に於ける男女別のセックスの満足度は以下の通りだった。

セックスに満足している割合
× 男性 女性
10代 56% 53%
20代 47% 71%
30代 44% 59%
40代 56% 65%
50代 50% 63%

10代を除いた全ての年代で、女性の方がセックスの満足度が高い事が分かる。男性の満足度が低いのは、日本人の多くが、男性側の肉体的負荷が高い正常位を行っているからに違いない。

特に、20代・30代男性の満足度の低さが目を惹く。2人に1人も満足していない。セックス満足度が50%に満たないというのは、極めて異常な事態である。同調査ではセックス満足度の世界平均は73%であり、最もセックス満足度が低かったロシアでさえも59%という数値を記録している。

20代・30代の日本人男性は、世界的に見ても稀な程、セックスに満足していない。これはきっと、日本人の多くが、男性側の肉体的負荷が高い正常位を行っているからに違いない。

20代や30代と言えば、最も子作りをし易い年代である筈だ。そのような年代でセックスの満足度が低い事は、大問題だと思う。セックスに満足しなければ性欲も減退するだろう。事実、30代の日本人男性の43%は「性欲が減少した為にセックスの回数が減った」と回答している。

もしかしたらセックス時の体位の問題は、少子化問題にも影響を与えているのかも知れない。セックスの回数が減れば当然、子供の数は減るだろう。日本の少子化問題の原因は、日本人の多くが、男性側の肉体的負荷が高い正常位を行っているからに違いない。(←クドイ。)

以上より結論。

日本人男性は肉体的負荷の高い正常位を行っている為に、セックスの満足度が低い。もしかしたら少子化問題も、そこに原因が有るのかも知れない。

そしてイイタイコト。

だが、敢えて言おう。世界標準の体位は、騎乗位なのである。日本人はもっと騎乗位でセックスをするべきだ。負けるな、日本男児!


日本では複合的な原因により、騎乗位が普及しない。

以上のセックス体位論には、かなり多くの反響が有った。ひょっとしたら、今までの日記の中で最も反響が大きかったかも知れない。これまで学力低下論など、色々と真面目な話題を取り上げる事も多かった筈だが……複雑な心境だ。

しかし気になるのは、この件に関するメッセージは全て女性からだった、という事だ。男性からのセックス体位に関する言及は、一つも無かった。僕は問いたい。ここで、敢えて問いたい。「どうしたんだ、日本男児! お前達は正常位で満足なのか!?」と。

――さて。
女性読者から頂いたメッセージの中には、『日本で騎乗位が普及しない理由』について考察してくれている物が幾つか有ったので、それらを紹介してみる。取り合えず箇条書きで。(文体などは変えてあります。) ――という事だ。皆さん、なかなか着眼点が鋭く、僕は感心するばかりだった。

1は僕の全く知らない世界だ。少女向けの、そういう雑誌が有ることは知っていたが、とても内容までは把握していない。書店で中身を確かめようかとも思ったが、流石に思い踏み止まった。

そこで、この種の雑誌が少女達の間で、どの程度浸透しているのかを計る為に、発行部数を調べてみた。すると、『エルティーン』の発行部数は12万部らしい。

“発行部数12万部”というのは、イマイチよく分からない数値だ。女性の中では、どの程度の知名度なのだろうか? そこで、幾つかの成人男性向け雑誌の発行部数と比較してみる事にした。 僕は上記の雑誌を全て購入した経験が有るので、『エルティーン』が女性の中でどの程度の知名度なのか、大体把握できたつもりだ。なるほど、『エルティーン』は女性の中では、かなり浸透していると見て間違い無いだろう。

次に2だ。これは恐らく、女性器の所謂“下付き”“上付き”の違いなどが関係していると思われる。これは通常は後背位で問題になる。騎乗位は女性の身体の向きは360度自由なので、あまり問題では無いかも知れない。この点から見ても、やはり騎乗位は優れた体位と言う事が出来る。

3は有り得る話だ。特に高年層だと、男尊女卑の考え方が根強く残っているのかも知れない。「セックスの時に男が下になるなんて許せない!」という事か。未だにこのような考え方をしている男性がどの程度いるのかは定かではないが、海外よりは日本の方が多そうなのは確かである。

最後に4だが、個人的にはこれが最も有力な気がした。確かに布団だと騎乗位はやり難い。そこでベッドの普及率について調べてみる事にした。

すると平成11年の総務省の『全国消費実態調査』によれば、2人以上の世帯に於けるベッドの普及率は56.7%である事が判明した。

一方、海外でのベッドの普及率がどの程度かも調べようとしたが、データが見付からなかった。恐らく100%に近いものと思われる。有限会社『流体力学工房』の調査に拠れば、アメリカでのウォーターベッドの普及率は30%程度だという。この事実を考慮すれば、やはり通常のベッドの普及率は100%に近いと考えて良いだろう。

となれば、このベッドの普及率の違いが騎乗位の普及率の違いに影響しているという事は充分に考えられる。

以上より結論。

日本で騎乗位が普及しない原因は、上記のように複数の要素が重なり合った為だと考えられる。

そしてイイタイコト。

だが敢えて問いたい。「どうしたんだ、日本男児! お前達は正常位で満足なのか!?」と。


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