『好き』と『愛する』とは、どう違うのか?
恋愛論ほど人によって解釈が大幅に異なる考え方は珍しいと思う。そもそも『愛』とは何なのか――これを定義する事さえ難しい。今日は僕が「なるほど」と思った考え方を紹介したい。
アメリカの心理学者のルビンは、『好き(友愛)』と『愛する(恋愛)』を明確に区別しようとした。
彼の主張は、『友愛』は「好意的評価」、「尊敬と信頼」、「類似性の認知」から構成され、『恋愛』は『友愛』の構成要素に加え、「親和欲求」、「援助傾向」、「独占欲」から構成される、というものだった。
それぞれの要素について具体例を交えて簡単に説明しておくと、
- 好意的評価……「カッコいい」、「能力が在る」など、外見的又は内面的にプラスの評価をする事。
- 尊敬と信頼……「貴方の判断に任せる」など、相手を信用する事。
- 類似性の認知……「自分もそう思っていた」など、同一環境下に於ける感情の一致を認める事。
- 親和欲求……特に根拠無しに「もっと仲良くなりたい」と思う事。
- 援助傾向……「君の為なら死ねる」など、自己犠牲を伴っても相手に尽くせる事。
- 独占欲……相手を「独占したい」と思う事。
――という感じだ。
僕が注目したのは『恋愛』の構成要素に「独占欲」が入っている事だ。独占欲はしばしば歪んだ別の感情や行動を引き起こすので、「恋愛と独占欲は別」と主張されがちだが、しかし独占欲の全く無い恋人同士というのも寂しい感じがする。「お互いに浮気OK」なカップルには独占欲が無いのだろうが、そういうカップルには「親和欲求」や「援助傾向」は存在するのだろうか。是非とも聞いてみたい。
以上よりイイタイコト。
独占欲は恋愛の構成要素の一つである。