MENU TOP ABOUT DIARY COLUMN HOBBY NOVEL WORD BBS

家庭教師向け講座3 〜生徒のやる気

COLUMN MAIN

家庭教師をしていると、殆どの生徒は以下のいずれかに分類できる。

「やる気が無くはない」とは、「成績が良くなりたいな」とは思っているが、必要最低限の勉強(宿題など)しかしない生徒の事だ。組み合わせ的には他にも考えられるが、実際には上の5つ以外のケースは殆ど存在しない。

最初の『成績が良く、やる気も有る生徒』は医学部志望の高校生が多い。成績が良いのに家庭教師を付けるという事は、それなりに高偏差値の大学(学部)を狙っている、という事だから不思議ではない。

実は彼らを指導するのは、家庭教師側からすると大変だ。事前にやる問題が分かっていれば予習出来るが、どうしてもそれだけでは収まらない場合が有る。いきなり難関大学の過去問の解き方を教えてくれと言われたりする訳だ。本来なら20分くらい掛けて解く問題を、瞬時に頭の中で解き、ポイントを整理して、どう説明するのがベストかを考えねばならない。毎回毎回冷や汗を掻きながらの指導となる。

しかしそれは教える側としても充実した時間ではある。難度の高い問題は、ポイントを掘り下げていくと、他の重要事項に繋がっていく事が多い。だから1問解説するだけで1時間以上掛かる事も頻繁に有るが、生徒もやる気が有るので熱心に聴いてくれる。自然と他の生徒にはしないような、高度な思考力を要する解法なども説明でき、こちらとしても大きな達成感を得られる。僕が気付かなかったポイントを生徒が指摘してくる事も珍しくない。

以上よりイイタイコト。

成績が良く、やる気も有る生徒の指導は大変だ。が、こちらが得られる達成感も大きい。


上記の分類の中で家庭教師を雇って最も効果が有るのは『成績は並だが、やる気は有る生徒』と『成績は悪いが、やる気は無くはない生徒』だ。つまり、「やる気の割には成績が伸びない」という生徒に効果が大きい。僕の経験上、このような生徒は学校や塾での教師の教え方が圧倒的に下手だ。生徒を介しての話なので断定は出来ないものの、「そこの数学教師は本当に高校数学が理解出来ているのか?」と疑ってしまうような場合も少なくない。中には人間的に問題が有るケースもあるようだ。生徒からの質問を露骨に嫌がる教師も居るという。

『成績は並で、やる気は無くはない生徒』に対しては、家庭教師の腕の見せ所だと思っている。実際このような生徒が最も多い。この手の生徒は劇的に成績が伸びる事は少ない。成績を伸ばす為には、その生徒が何を理解し、何が理解出来ていないのかを慎重に見極める必要が有る。昨日の『成績が良く、やる気も有る生徒』とは別の意味で苦心するが、それはそれでやりがいが有る。

問題なのは、やはり『成績が悪く、やる気も無い生徒』だ。ここに分類される生徒は、そもそも「勉強が出来るようになりたい」とすら思っていない場合も多い。だからまずは『やる気が有る』とまではいかなくとも『やる気が無くはない』レベルにしてやらないといけない。

ところが、それは家庭教師には困難なのだ。週に3日も4日も雇っているならまだしも、通常の家庭教師は週に1回2時間程度の指導を行うだけである。時間が圧倒的に足りない。

勿論、家庭教師にだって勉強の面白さを伝える事は出来る。しかしその為には、生徒が有る程度自主性を持って勉強してくれないと駄目なのだ。やはり、最低限のやる気を出せさせるのは家庭の役目だろうと思う。

ところがこのような生徒は、親にも問題が有る事が多い。とにかく何でもかんでも学校や塾や家庭教師に任せ切りにする。

勉強の内容自体は任せてもらって構わない。どの分野が苦手で、どうすればそれを克服できるのか、といった部分は丸投げしてもらって良い。しかしもっともっと基本的な部分は、まずは家庭内で何とかして貰いたいものだ。

以上よりイイタイコト。

家庭教師は『やる気が無くはない生徒』を『やる気が有る生徒』にする事は出来るが、『やる気が無い生徒』を『やる気が無くはない生徒』にする事は出来ない。後者は家庭の役目だ。


今日今日のアクセス数/昨日昨日のアクセス数/累計累計のアクセス数
Read me! ページ最上段へ