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天動説と地動説

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小学生の4割は「太陽が地球の周囲を回っている」と思っている――。国立天文台の縣秀彦助教授らが行った調査で、天文現象に対する子供たちの理解の乏しさが浮き彫りになった。 調査は2月、長野市と北海道上富良野町の公立小学校の4、5年生計116人を対象に行った。「地球は太陽のまわりを回っている」「太陽は地球のまわりを回っている」という2つの文章から正しいものを選ばせたところ、41%が“天動説”を選んだ。この結果について、縣助教授は「現在の学習指導要領が、目で見える事象の観察や実験を強調し、なぜそういう現象が起きるのかを考えさせる仕組みになっていないため」と分析。地球と太陽、月の関係を鳥観的にとらえることなども授業に取り入れるべきだと話している。

この問題は2択形式だったので、不正解者数と同数程度の“たまたま当たっちゃった”小学生がいた筈なんですよね。41%が間違えたので、残る59%の正解者の内、41%は偶然当たっただけ、という事です。つまり答がちゃんと分かって正解したのは全体の18%しかいない、と。

しかし「太陽が地球の周囲を回っている」というのは太陽と地球との位置関係だけから導かれる事実では有りません。宇宙では絶対的な空間座標を考える事が出来ないからです。(もしも何も無い宇宙に自分だけが放り出されたら、自分は動いているのかどうかさえ判断出来ない、という話。)太陽と地球以外の幾つかの惑星の動きを合わせて考えた結果、「どうも太陽の周りを回っていると考えた方が既存の物理法則に即しているようだ」と結論付けられたからこそ地動説が出て来た訳です。天動説だと惑星が下の様な動きをする事になってしまいます。



これは明らかにおかしな動きですね。重力や遠心力以外の不可思議な力が働いているとしか思えません。ここまで来て初めて地動説が支持される訳です。
となると、この理解は小学生のレベルを明らかに超えていると言えます。目で見える事象の観察や実験を強調し、なぜそういう現象が起きるのかを考えさせる事で地動説が導けるならば、コペルニクスやガリレオは苦労しなかったでしょう。

しかし“地動説が妥当である”事を理解出来ないのは仕方ないですが、“地動説が常識である”事を知らないのは小学生と言えども「非常識」と言えるように感じます。このニュースを聞いて多くの人が思ったのは「いくら小学生でも、それくらい知っとけよ」という事だと思いますが、これは全く同感です。

ところがこれは知識詰め込み型教育の典型であるとも言えます。原理は難し過ぎて説明出来ず、結果(事実)だけ教える訳ですから。

以上よりイイタイコト。

小学生に対する科学的常識の詰め込み型教育は復活させても良いのではないか。原理は中学以降で学べば良い。


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