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学力と体型との関連性

COLUMN MAIN

何年か前に僕の友人が、「学力が高い人間は痩せている」という持論を展開した事が有る。

その友人や僕が通う大学の学生は、一般的に学力が高いと言われている。大学入学時にクラス内でセンター試験の成績を比較した事が有ったのだが、9割以上の人間が800点満点中700点以上だった。センター試験は得点率60%が平均だから、単純に試験の成績を“学力”と呼ぶのであれば、確かに彼らの学力は高いと言える。(ちなみに僕はクラスで断トツの最下位だった。点数は言えない。)

さて、そういう環境の中に居ると、確かに太った人間を殆ど見掛けないのである。寧ろ痩せ過ぎな人間が非常に多い。“デブ”と呼ばれそうな体型の人は見掛けた記憶すら無いし、“小太り”と言える程度の人間も殆ど居ない。この大学の中で“太っている”というカテゴリに分類される僕は、極めて異色な存在なのである。全く嬉しくないが。

この現象に対して友人は、「体型管理も出来ない意志の弱い人間は、学問に於いても真面目に取り組めないのではないか?」という仮説を立てていた。これは明確なデータこそ無いが、それなりに説得力を持った仮説だと思う。ここで「体型管理が出来ない」=「太っている」、「学問に於いて真面目に取り組めない」=「学力が低い」と読み直すと、「太っている人間は学力が低い」という結論が導かれる。

こうなると全国の太った人達からは苦情が来るかも知れないが、あくまでも傾向の話として聞いて頂きたい。第一この文章を書いている本人も太っているのである。憤慨したいのは、僕も同じだ。しかし先に書いたように、僕は大学内で最低レベルの成績だった上に留年もしており、自分自身を反例として示す事が出来ない。極めて悔しい。

さて、「太っている人間は学力が低い」の対偶を取ってみると、「学力が高い人間は痩せている」となる。(正確には「学力が低くない人間は太っていない」だが、まぁその辺はスルーの方向で。)

ここで気を付けたいのは、あくまでも「学力が高い人間は痩せている」のであって、「痩せている人間は学力が高い」ではない、という事だ。そして少し考えて欲しい。自分の身の回りで「痩せている人間は学力が高い」の反例ならば数多く見付かるが、「学力が高い人間は痩せている」の反例は非常に少ないのではないだろうか。

以上より結論。

体型管理も出来ない意志の弱い人間は、学問に於いても真面目に取り組めない可能性が有る。従って「学力が高い人間は痩せている」という傾向が浮かび上がって来る。


身長が高いと知能指数も高い。

1973年のイギリスの調査では、母親が妊娠中に喫煙すると、生まれてくる子供の身長が低くなる傾向が有る事が判明した。妊娠中に全く喫煙しなかった母親の子供の11歳時の平均身長は144.6cmだったのに対し、1日1〜9本の煙草を吸っていた母親の子供の11歳時の平均身長は143.6cm、1日10本以上の煙草を吸っていた母親の子供の11歳時の平均身長は143.0cmだった。妊娠中の母親の喫煙機会が多い程、子供の身長が低くなっている事が分かる。

同様の調査は1984年にアメリカでも行われており、6〜11歳の児童(約9000人)を対象とした調査では、やはり母親が喫煙をする子供のグループの方が、母親が喫煙をしない子供のグループよりも、平均して1cmほど身長が低かった。妊婦の喫煙が子供の出生時の身長や体重に影響を与える事は広く知られているが、実は子供が成長した後まで影響を与えている事が分かった訳だ。

一方、再び1973年のイギリスでの調査に戻るが、この調査では母親の妊娠中の喫煙と、生まれて来た子供の11歳時の知能指数との間にも相関関係が有る事が判明している。妊娠中に全く喫煙しなかった母親の子供の11歳時の平均知能指数は102だったのに対し、1日1〜9本の煙草を吸っていた母親の子供の11歳時の平均知能指数は96、1日10本以上の煙草を吸っていた母親の子供の11歳時の平均知能指数は95だった。妊娠中の母親の喫煙機会が多い程、子供の知能指数が低くなっている事が分かる。

以上を纏めると、こうなる。

つまり「母親の妊娠中の喫煙頻度」という要素を媒介する事により、「身長が低いと知能指数も低い」という結論が導かれる訳だ。これは「身長が高いと知能指数も高い」と同義である。

以上より結論。

身長が高いと知能指数も高い。これは母親の妊娠中の喫煙頻度が関係している。


若年層では頭を使うと痩せるが、高齢層では手遅れである。

「学力が高い人間は痩せている」「身長が高いと知能指数も高い」という主張を展開して来たが、読者の方から幾つか反響が有ったので、今回はそれを紹介する。

関連リンク:「過食症は遺伝子のせい――意志が弱いのではなかった」『日経ヘルス』

“メラノコルチン4レセプター”という遺伝子に異常が有ると、その人間は過食症になってしまい、結果として肥満になってしまう。リンク先のデータを見る限り、この遺伝子と肥満には強い相関性が有りそうである。過食症の所為で肥満になっている人は、本人の意志の強さが云々という問題ではない可能性が有る。(但し僕は過食症で肥満な訳ではないので、やはり体型管理の意志が弱いのだと思う。)

この場合、肥満と学力との関連性が説明が付かない。“メラノコルチン4レセプター”という遺伝子の異常が、脳などにも悪影響を及ぼすなら話は別だが、調べた限りでは脳などの器官への影響を示唆する記事は見付からなかった。

一方、次のような意見も頂いた。

学力が高いと痩せているのは私の学校の家庭科の先生も言っていました。なんでも脳はエネルギーをたくさん消費するから、頭を使ってる人は痩せているのだとか。

これで思い出したのだが、漫画『デスノート 第5巻』の76ページに、以下のような会話が有った。

L:それよりケーキ食べないんですか?
弥:甘い物は太るので控えてます。
L:甘い物を食べても頭を使えば太らないんですけどね。
弥:あっ! またミサをバカにして。

そこで脳について調べてみた。脳は人間の全臓器の中で最もエネルギーを消費する器官で、それ自身の重量は身体全体の2%程度であるにも関わらず、エネルギー消費量は身体全体の20%も占めるらしい。特に年齢が低い場合はその割合がさらに増大し、赤ん坊の場合は脳のエネルギー消費量が全体の50%にも達するという。

つまり、特に若い年代に於いては脳を如何に多く使うかが、体型と強く関係している訳だ。僕は「学力が高い人間は痩せている」の反例は非常に少ないと書いたが、高齢な学者の中には太った人も比較的よく見掛ける。これは年齢を重ねると幾ら脳を使っても、身体全体に占めるエネルギー消費量の割合が減少してしまうからではないか。

以上より結論。

若い年代に於いてはエネルギー消費量の多くを脳が占めている為に、結果として頭を使う学力の高い層の体型は痩せる傾向に有る。これは高年齢者には、必ずしも当て嵌まらない。

手遅れになる前に頭を使っておかないとな……。


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