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ピタゴラスとドレミファソラシド

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“ドレミファソラシド”を作ったのは、数学者のピタゴラスである。

ピタゴラスという数学者の名前は、中学校で『ピタゴラスの定理』(三平方の定理)を学ぶので有名だろう。彼の数学者としての功績は数多い。三角形の内角の和が180°である事の証明や、正五角形の作図法を発見したのもピタゴラスである。(ピタゴラスの弟子だった、という説も有る。)

しかしピタゴラスには、ネガティブな印象を与えるエピソードも多い。その一つはピタゴラス教団の存在だ。ピタゴラスは優れた数学者であったと同時に、宗教の教祖的な立場でもあった。

ピタゴラス教団は輪廻転生を信じ、そこからの脱却を謀る為に数学を研究していた。つまり数学は“解脱”の手段だった訳だ。彼らは何よりも“自然数”を重視し、それが宇宙の全てを秩序付けていると考えていた。実際、当時の数学では有理数(分数で表される数)しか発見されておらず、自然数のみで全ての数字を表す事が可能だった。

ところがピタゴラスは自身のピタゴラスの定理により、無理数の存在を知ってしまった。自然数で表す事が出来ない数に出会ってしまった訳である。現在では無理数は有理数列の極限と考えられる事も可能だから、無理数が必ずしも自然数から逸脱した数であるとは言えないと思うのだが、まぁピタゴラスは慌てた訳である。宇宙の全てが自然数で表せると思っていたのに、単なる数字ですら自然数で表し切れない事に気付いたからだ。元々ピタゴラス教団で発見・証明された数学的事実は教団外に漏らしてはならない規則が有ったのだが、無理数の存在は特に極秘とされた。

ピタゴラス教団では宇宙の全てが自然数で表せると思われていたので、音楽も当然それに従って研究されていた。弦の長さを半分にすると1オクターブ高くなるとか、音楽をそのように秩序付けたのはピタゴラス教団が最初で、所謂“ドレミファソラシド”という音階を作成したのも彼らである。紀元前550年前後の話だ。

ピタゴラス教団は天文学にも精通し、この時代から地動説を唱えていたという記録も残っている。コペルニクスやガリレオが地動説を唱えたのは西暦1600年前後だから、その洞察力には恐るべき物が有る。

以上のようにピタゴラス教団は宗教団体でありながら、数学・音楽・天文学などの分野に於いて優れた業績を残している。恐らく徹底した秘密主義が、より優れた人材を集めるのに貢献したのだと考えられる。

以上よりイイタイコト。

“ドレミファソラシド”を作ったのは、数学者のピタゴラスである。


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