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初夜権

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中世ヨーロッパでは権力者に、結婚初夜の処女と性行為をする権利が与えられていた。

新たに夫婦となったカップルにとって、結婚初夜というのは特別な意味を持つものだと思われるが、中世ヨーロッパでは権力者に対して、新郎よりも先に花嫁と性行為を行う権利が法的に認められていた時代が存在する。この権利を初夜権と言う。時代を考えれば、殆どの花嫁は処女だっただろう。その初めての相手が、愛する夫ではなかった訳である。

この初夜権は成文化はされていなかったものの、古代から未開部族を中心に広く見られた権利である。当時は処女との性行為に於ける出血が不吉なものと考えられており、その災いを取り払う為に一族の祭司や呪医などが処女と交わっていた。花嫁の婚前交渉の有無を確かめる意味も有ったとされる。我が国でも西日本を中心として、14歳を迎えた娘達が長老に身を捧げるという、似たような慣習が存在した。大分県の「ぼんぼぼ」という祭事などが、それに当たる。

そして初夜権を初めて成文化したのが、中世ヨーロッパである。「災害を忌避する」という目的は同じだったものの、しかし中世ヨーロッパでの初夜権が他地域のものと決定的に違ったのは、新郎が一定の税金を納める事により初夜権を拒否できたという点だろう。この時点で恐らく初夜権は、権力者の性的欲求を満たす為だけの形骸化した慣習となっていたと考えられる。

ただ一方で初夜権は「新郎が一定の税金を納める事により初夜権を拒否できた」という性質から、実質的には“結婚税”と化して実際に処女を領主などに捧げた女性は少なかったという説も有る。確かに支配地域内の人口に拠っては、初夜権をフルに活用していたら領主の方が倒れてしまいそうである。

以上より結論。

中世ヨーロッパの権力者には、処女権が法的に与えられていた。


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