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連鎖する自殺

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自殺は連鎖する。

著名人、特にカリスマ性の高い人物が自殺すると、後を追って自殺する人間が多く出現する。近年では、1998年にバンド『X Japan』のメンバーだったhideが自殺した際に、女性ファンの自殺が急増した。このような現象をウェルテル効果と言う。(hideは自殺ではなかったという説も有るが、ここでは別問題なので置いておく。)

ウェルテルという名称は、ゲーテの著書『若きウェルテルの悩み』に由来する。作中で主人公のウェルテルが自殺した事により、ヨーロッパで若年男性の自殺者が急増した為だ。

ウェルテル効果に拠る自殺の特徴としては、後追い自殺する人間が、その原因となった人物と同じ方法で自殺する、という点が有る。1986年にアイドル歌手の岡田有希子が飛び降り自殺をした時は、やはり後を追った人間の多くが飛び降り自殺を図った。実際、女性の飛び降り自殺者数は、1985年は49人だったにも関わらず、1986年には161人まで増加した。また岡田有希子自身、自殺の原因はレーシングドライバー萩原光が前日に自殺した事だったのではないか、という説も有る。

ウェルテル効果が発生してしまう要因としては、テレビや新聞などのメディアが著名人の自殺を美化してしまう事が挙げられる。勿論メディアは直接的に自殺を助長するような事はしないが、一方で自殺した人間の生前の美談などは積極的に報道する。これにより自殺した人間のカリスマ性が急激に高められ、それと同調したいという欲求を持つ人間を自殺に至らしめてしまう訳だ。

この「自殺した人間を美化する」という現象は近代になってからの特徴であり、実際に多くの国々では自殺は犯罪ではない。ところが歴史的には自殺は犯罪とされた時代が長く、特にキリスト教やイスラム教では自殺を禁じている為、自殺者の葬式を許可しないなどのペナルティが存在していた。その為このような時代には、ウェルテル効果は発生しなかったと考えられる。一方でヒンズー教では夫が死んだ場合に妻は焼身自殺をする慣習が有るなど、宗教に拠って自殺の捉え方は様々である。

また近年では、自殺系サイトに拠るウェルテル効果の発生も数多く、自殺の連鎖は益々増えているのが現状だ。自殺の予防策は幾つか存在するが、富山医科大学の研究に拠れば、魚を多く摂取する人の自殺率は、そうでない人の1割強にまで減少するという。

以上より結論。

ウェルテル効果に拠り、自殺は連鎖する。


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