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天樹征丸

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タイトル 出版社 初版日 勝手な採点 通販
金田一少年の事件簿1 オペラ座館・新たなる殺人 講談社文庫 1998年10月15日 ★★★ 購入
金田一少年の事件簿2 幽霊客船殺人事件 1999年10月15日 ★★★ 購入
金田一少年の事件簿3 電脳山荘殺人事件 2000年08月15日 ★★★☆ 購入
金田一少年の事件簿4 鬼火島殺人事件 講談社 1997年05月20日 ★★☆ 購入
金田一少年の事件簿5 上海魚人伝説殺人事件 1997年11月05日 ★★★☆ 購入
金田一少年の事件簿6 雷祭殺人事件 1998年06月24日 ★★★☆ 購入
金田一少年の事件簿7 殺戮のディープブルー 上巻 1999年07月26日 ★★★★ 購入
金田一少年の事件簿7 殺戮のディープブルー 下巻 購入
金田一少年の事件簿8 邪宗館殺人事件 2001年04月20日 ★★★☆ 購入

金田一少年の事件簿1 オペラ座館・新たなる殺人

一言

原作を読んでいればマズマズ楽しめる。

目次

プロローグ
第一幕 オペラ座館からの招待状
第二幕 『カルロッタは、劇場で……』
第三幕 密室劇場
第四幕 さまよえるファントム
第五幕 『フィリップ伯爵は、湖で』
第六幕 『ジョセフ・ビュケは、首を吊られ……』
読者への挑戦状
第七幕 真相
エピローグ

梗概

かつての惨劇の舞台、孤島の洋館「オペラ座館」へ再び招かれた金田一一少年と、ガールフレンドの七瀬美雪。楽しいはずのバカンスは、新たな殺人によってまた血に染められた。ファントムと名乗る怪人の正体を金田一少年が追う。大人気コミックが完全オリジナル・ストーリーで小説化され、文庫にも初登場!   ――裏表紙より

感想

非常に読みやすい推理小説。作者は「大学生くらいの年代がターゲット」と言っているが、中高生くらいに丁度良いと思う。大人が読むにしては人物設定などが定型的過ぎる。
一部のトリックには納得行かない部分も有るが、漫画『金田一少年の事件簿』を読んでいれば十分に楽しめる内容だろう。300頁以上あるので決して短くはないが、もう少し長い物語が読みたいかな。


金田一少年の事件簿2 幽霊客船殺人事件

一言

全体的には好感触だったものの、最後の詰めが甘かった。

目次

プロローグ
第一章 竜王丸航海日誌
第二章 出航
第三章 幽霊船マリー・セレスト号
第四章 悪夢の夜
第五章 身代わりの死
読者への挑戦状
第六章 真相
エピローグ

梗概

小笠原諸島へ向かって航行中の客船から、ある朝、船長が忽然と姿を消した。さらに洋上の密室で連続する奇怪な殺人事件。漂流の危機、死の恐怖が満ちた船上に、高校生探偵・金田一一の姿があった。神出鬼没の真犯人「幽霊船長」の正体を暴け! 大人気コミックから生まれた完全オリジナル長編本格推理小説。   ――裏表紙より

感想

全体的には前作『オペラ座館・新たなる殺人』よりも面白いと思う。トリックは斬新だったし、真犯人も意外だった。
しかし真犯人の追い詰め方が、少しだけ設定の狡さを感じた。また、ナカムライチロウという、あからさまに怪しい人物に対して、事件に関する嫌疑が殆ど掛からなかったのには、疑問を感じざるを得ない。


金田一少年の事件簿3 電脳山荘殺人事件

一言

“オフライン・パーティー”の特性を最大限に生かした推理小説。

目次

プロローグ
第一章 七つのハンドルネーム
第二章 招かれざる客
第三章 トロイの木馬
第四章 完全なるアリバイ
第五章 電脳ダイイング・メッセージ
読者への挑戦状
第六章 真相
エピローグ

梗概

パソコン通信で知り合った互いの本名も素性も知らぬ七人の男女。人里離れた山荘で、彼らが初めて顔を合わせた夜、恐るべき殺意の罠が始動した。皆殺しを目論む犯人の意外な動機とは? 名探偵・金田一一が看破した映像化不能の殺人トリックとは? 大人気コミックの原作者が放つ完全オリジナル推理小説!   ――裏表紙より

感想

冬の雪山の山荘を舞台にした、半密室的状況下に於ける連続殺人事件。作者の言う「第五の謎」が素晴らしい。もしかしたら似たような手法を用いた作品が他にも有るのかも知れないが、それが事件を決定付けるという程までは重要ではないので、特に問題ない範囲だろう。
推理過程に於ける「裸眼」に関する考察などは非常に納得が行かないが、基本的にはシリーズ中、最も優れた作品である事は間違い無いと思う。
それにしても本作を最初に出版したのが1996年というのは凄い。作者のネットに対する先見性の優秀さを伺わせる。


金田一少年の事件簿4 鬼火島殺人事件

一言

簡単に言うとイマイチ。

目次

プロローグ
第一章 繋がれた少年
第二章 午前零時の悪霊
第三章 鍵穴の奥の惨劇
第四章 最も許しがたきは……
作者からの挑戦状
第五章 真相
エピローグ

梗概

鍵穴の奥から幻のように消えた殺戮の光景。
身悶えしながら近づく竜巻。
そして、真夏の雪――
惨劇の舞台は呪われた孤島……人呼んで『鬼火島』
   ――裏表紙より

それはまさしく魔法だった。
暗い鍵穴の奥で、確かにそれは起こったのだ。
亡霊のように浮かび上がった死体の首には縄が巻かれ――

殺戮の光景!
探偵は、鍵穴ごしにその全てを確かに目撃したのだ。なのに――。
駆けつけた管理人が、合鍵でドアを開けると、そこにはなにもなかった。誰も居いなかった。
煙のように、幻のように、全てが消え失せていたのだ。
この密室から。
青ざめた死体も、恐るべき殺人者さえも……。
   ――表紙裏より

感想

前作『電脳山荘殺人事件』とは全く逆の、真夏の孤島に於ける殺人事件が展開される今作。しかし、あまり“孤島”という要素は強く必要ではない作りになっている。
作中で最も重要なトリックが、既に漫画版で殆ど同様に使われている事で、少し消化不良な感じがする。それで犯人もバレてしまうし、そう考えると後半が冗長だ。それに珍しく脇役達の描き方も雑で、作品のバックグラウンドが見えてこない。無理矢理取って付けたような性格も気になる。
つまり『鬼火島殺人事件』は、今までの『金田一少年』シリーズの味を薄めて出来たような作品で、簡単に言うとイマイチだった、という事になる。


金田一少年の事件簿5 上海魚人伝説殺人事件

一言

雄大かつ混沌とした中国という名の“空間”を味わえる。

目次

プロローグ
第一章 金田一少年海を渡る
第二章 落ちてきた死体
第三章 上海チェイス
第四章 『秋』の訪れ
作者からの挑戦状
第五章 真相
エピローグ

梗概

それは『春』から始まった…………
伝説の怪物『魚人』が詠んだ春夏秋冬の子守唄そのままに、次々と起きる悪夢のような殺人。
春の次には、夏が来る。
そして――――
   ――裏表紙より

……魚人?
「ま、まさか……!」
ドアチェーンを確認して、そっと扉を開けた。
人の気配はない。
チェーンを外して、ゆっくりとドアを開け放つ。
……誰もいない。

廊下の床に視線を移した一は戦慄した。
そこには、濡れた足で歩いたような跡が、点々と続いていたのだ。
   ――表紙裏より

感想

映像化される事を前提として作られた作品という事で、随所にそれを意識した場面を見る事が出来る。魚人遊戯や中国拳法、そして上海の街並など、確かに今までの『金田一少年の事件簿』シリーズとは異なった趣きで書かれているのが分かる。
作中に於ける最大のトリックは少し露骨な伏線の所為でネタバレ気味だが、今作はドラマ性も高いので許せる。
欲を言えばもう一波乱くらい有ると、アクションシーンなどはさらに盛り上がったかも知れない。


金田一少年の事件簿6 雷祭殺人事件

一言

本編の他に短編も加えられて、ボリューム感を補完。

目次

第一話 雷祭殺人事件
第一章 陽炎の中の少女
第二章 足跡が示す容疑者
第三章 真相
エピローグ
第二話 共犯者X
作者からの挑戦状
第三話 迷い込んできた悪魔
作者からの挑戦状

梗概

陽炎に揺らめく人影は蝋細工のように透明な肌を持つ少女…………
死者に手向けられた夥しい数の“空蝉”が雷を崇める奇怪な祭りの呪わしき供物となる――
   ――裏表紙より

それは、蝉の抜け殻……。
“空蝉”だった。
それも何百、いや何千という数の。
夥しい飴色の抜け殻が、ベッドの上に盛り付けられているのだ。
しかも、ただ抜け殻が盛られているだけではない。
抜け殻に埋まっているものがある。
それが人間の体であることは、空蝉の間からわずかに覗いている衣服ですぐにわかった。
   ――表紙裏より

感想

本編である「雷祭殺人事件」は意外に短く、短編2本も同時収録された1冊。前作の『上海魚人伝説殺人事件』などと比べるとボリューム感には欠けるが、読み易い事は確か。短編にも力が入っているので、損した気分にはならないだろう。
ミステリーはハッピーエンドで終わらない事も多いが、少年向け小説としてはかなり衝撃的な結末が待っている。何となくやるせなさを感じるが、それこそが作者の意図している所かも知れない。


金田一少年の事件簿7 殺戮のディープブルー

一言

『金田一少年の事件簿』シリーズ最大にして最高傑作だが、もう一歩を要求するのは無謀か?

目次

プロローグ
第一章 我が名はキング・シーサー
第二章 “オリハルコン”の恐怖
第三章 虎口からの脱出
第四章 銃撃戦
第五章 殺戮の紋章
第六章 密室の殺戮者
第七章 明智警視からのメッセージ
第八章 殲滅の檻
作者からの挑戦状
第九章 真相、そして崩壊……
エピローグ

梗概

祭壇に捧げられた血まみれの心臓
次の生贄は誰なのか
殺戮の舞台に転じた南海の楽園で真の恐怖は始まった……
   ――上巻裏表紙より

ドン!
炸裂音が響きわたった。
同時に、レストランの高い天井から垂れ下がるシャンデリアが砕け、ガラスのかけらが飛び散る。
年かさの男が、天井に向けてピストルを発射したのだ。
「きゃあ〜っ!」

テロリスト。
彼らは、テロリストだ。
よくアメリカの映画なんかに出てくる、あの頭のいかれた殺人集団…………。
   ――上巻表紙裏より

海底遺跡、ディープブルーをめぐる狂気に満ちた殺戮ゲーム
姿なき悪魔、キング・シーサーの手で南海の楽園は恐怖の孤島に変わる……
   ――下巻裏表紙より

「…………ぐっ!?」
後頭部に鈍い痛みを覚えて、一はよろけた。

ブラックアウトしていく意識の中で、一にできたのは、ショーウィンドウに映りこむ襲撃者の影を、かろうじて網膜に焼き付けることだけだった。
それは、人間には見えなかった。
青いマントのようなものをまとった襲撃者の顔の部分に載っているのは、明らかに人間のそれではなかった。
鬼、あるいは悪魔。
   ――下巻表紙裏より

感想

『上海魚人伝説殺人事件』の小龍や漫画本編の明智警視、そして敵役は総勢6名という豪華絢爛な装丁を為した本巻。小説版では初の上下巻で読み応えはかなりのものだ。内容もアクション・ミステリー・サスペンスと程好く混ぜられており、このシリーズとしては出来がかなり良い。
長さの割にはトリックに見劣りがするが、伏線の張り方は悪くない。まさかあんな序盤に張られているとは。現代心理学を多用した展開も興味深いが、明智警視という天才が使うにしては、やや有名過ぎる知識が多いのには残念。
しかし膨大な登場人物達それぞれに相応の見せ場が用意されており、作者の苦心の跡が窺える。結末の後味がもう少し良ければさらに良かったが……。


金田一少年の事件簿8 邪宗館殺人事件

一言

先が読める展開と読めない展開とを、巧みに織り交ぜた構成。

目次

プロローグ 『六年前、夏の終わり』
第一章 四人の“天才”たち
第二章 邪宗館の惨劇
第三章 アリバイの邪宗門
第四章 真相

梗概

避暑地・軽井沢で出会った五人の“仲間”たち。
六年の時をこえた再会が忌まわしい夏の記憶とともに恐るべき魔物『邪宗館』を呼び覚ます……
幽霊屋敷に封印されていたあの罪が今、裁かれる……!
   ――裏表紙より

美雪が差し出したのは、折り畳んだ紙切れだった。
「ボウガンの矢に結びつけてあったの。見て!」
一は、紙切れを拡げて自分の懐中電灯で照らした。
『邪宗門のことは忘れ、速やかに立ち去れ。さもなくば、地獄変の屏風絵のごとき惨劇が、邪宗館に襲いかかる』
   ――表紙裏より

感想

「何となく先の展開が読めるな」と思いながら読んで行くと、真相でやられた。純粋な推理物としては少々ズルい部分も有るが、その設定を巧く活かしているので、こういうのが有っても良いかな、と思わせる。
前作『殺戮のディープブルー』と比較すると、エンターテイメント性やボリュームで見劣りがするのは仕方無いが、内容的には充分。強いて挙げれば、主人公と同様に頭脳の天才である井沢研太郎には、何かしらの活躍の場面が有っても良かった気がする。


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