現代の推理小説とは掛け離れた雰囲気やオチ。どちらかと言えばショートショートに近いか。
王冠のダイヤモンド――シャーロック・ホームズとの一夜 まだらの紐――シャーロック・ホームズの冒険 競技場バザー ワトスンの推理法修業 消えた臨時列車 時計だらけの男 田園の恐怖 ジェレミー伯父の家
名探偵の代名詞、シャーロック・ホームズ。鋭敏な頭脳を持った長身痩躯の探偵が居を構えるベイカー街二二一番地Bには、今なお事件解決の依頼状が舞い込むという。史上最も著名な探偵を生んだコナン・ドイルは、天性のストーリーテラーとしても名を馳せる。その作品を精選、全五冊集成でお届けする。本書には、戯曲版「まだらの紐」をはじめ<ホームズ外伝>ともいうべき作品を収録。 ――裏表紙より
普通の小説版の「まだらの紐」を読もうと思ったのだが、この本に収録されているのは戯曲版だった。図らずもこれがコナンドイル作品との初対面である。
結果的には戯曲版を読めて良かったと思う。表題作と「王冠のダイヤモンド」以外は通常の小説だが、例によって翻訳作品独特の読み難さが印象に強く残った。
とは言え、前半から中盤に掛けての作品は、まだ読み易いものも有るので、そこの所は評価したい。そして是非とも普通の小説版の「まだらの紐」も読みたいものである。