あまりにも“計画的な”ナンセンスギャグ。裏の意図があってもそれを敢えて読み取らないだけの度量が必要だ。
第1話 フリクリ 第2話 ファイスタ 第3話 マルラバ 第4話 フリキリ 第5話 ブラブレ 第6話 フリクラ
最先端医療機械の巨大な工場がそびえる地方都市・疎瀬。その街に住む小学生ナオ太は、アメリカに野球留学中である兄の彼女、女子高生マミ美とちょっとイケナイ関係にあった。だがべスパに乗った謎の女ハル子の登場により、そんなクールなナオ太の生活は崩壊する。頭には角が生え、人型ロボットが出現し、そしてマミ美との関係は……。GAINAXが放つちょっと切ない青春SF。アニメではわからない裏設定満載で、ここに完全小説化! ――1巻裏表紙より
頭がよくて学級委員で市長の娘。自分を特別な女の子だと思っている少女ニナモリ・エリが密かに愛する相手は、なんとわれらが主人公ナンダバ・ナオ太であった。ひょんなことからナオ太の秘密を知ったニナモリは、その夜、ナオ太の家に泊まることになり、急接近。貞操の危機、命の危機、おまけに地球の危機にまで発展する話題沸騰アニメの小説版第2巻。自称・世界一不幸なナオ太少年の、茫然自失&七転八倒な日々に、救いはあるか? ――2巻裏表紙より
思わぬアクシデントからハル子の唇を奪ってしまったナオ太は、それを目撃した父・カモンから彼女を賭けた決闘サバゲーを申し込まれる。くだらないと思いながらもハル子に頼まれまんざらでもないナオ太。だがそんなナオ太とハル子の関係を見たマミ美の態度がちょっとおかしい。これはもしかしたら――嫉妬なのか? うれしはずかし暴走アニメの小説版第3巻。ちょっとせつない感動巨編(?)で、ついにフィナーレを迎えます! ――3巻裏表紙より
これは明らかなるギャグ小説である。それ以上ではない。
どんな小説なのか、これほど表現し難い作品も珍しいだろう。強いて言えば、子供のまま大人になった小説家が捻くれた少年を主人公に理想的に歪んだ世界観を描いた、となるような気がする。これだけ馬鹿らしいストーリーなのに読み終わった後に何処か寂しげな感覚が残るのは、何かしら共感している部分が在るからだろう。読んでいる最中は全くそんな事は感じないのだが。
だが、この作品にギャグ以外の価値を見出そうとするなら、それはあまりに多岐に渡り、収拾がつかなくなる恐れがある。読んでから内容を考察する事は野暮と言うものだ。