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長谷川昌史

HOBBY MAIN

タイトル 出版社 初版日 勝手な採点 通販
ひかりのまち nerim's note 電撃文庫 2005年02月25日 ★★★★ 購入
ガトリング・メロディ nerim's noteU 2005年09月25日 ★★★ 購入
水晶宮殿 nerim's noteV 2006年01月25日 ★★★ 購入

ひかりのまち nerim's note

一言

“ずらす”という技術の結晶。

目次

第一章 疾走
第二章 幽霊
第三章 『本当のこと』
第四章 議会
第五章
第六章 ひかりのまち
最終章 夜明け

梗概

険しい山々に閉ざされた街パラクタに、夜だけが続く日黒期がやってきてひと月。高等部に通うネリムは、この日黒期という現象と、六年前の「森の神隠し事件」による兄の失踪に疑問を感じていた。
学校の保健室で新しい医務員のディネに出会ったネリムは、彼女に自分が疑問に思っている『本当のこと』を仄めかされる。彼女は何か知っている――ネリムは確信した。徐々にディネに惹かれていくネリムは、彼女と一緒に六年前の事件に関する資料を探し始めた。『本当のこと』を知るために――。
日黒期の謎、兄の失踪、ディネとの関係、様々な事件が巧妙に絡んでいく新感覚ファンタジー。
   ――表紙裏より

感想

全てを微妙にずらしている。現実の地球との相違点や作中での登場人物の不可解な行動など、敢えて何かをずらす事によって紡ぎ出される物語。人によってはストレスを生むかも知れないが、これは新たな流行になる可能性も秘めているように感じる。
登場人物に無駄が無く、少ない駒で相似形的な人間関係を描くなど、かなりの工夫の跡が見られる。やや荒削りな部分が無い訳ではないが、相当に練りこまれた作品である事は間違い無い。
ラストを読む限り、続編では『キノの旅』の長編版のような展開を見せそうな様相である。どうなるのか、楽しみなシリーズだ。


ガトリング・メロディ nerim's noteU

一言

伏線でネタバレし過ぎ。

目次

プロローグ
第一章 旅立ち
第二章 ≪青の小隊≫
第三章 武器商人
第四章 ペチュニアの匂い
第五章 少年の歌
第六章 ガトリング・メロディ
最終章 「正義」の答え
エピローグ

梗概

夜だけが続く「日黒期」が終わって半年。科学現象を捏造してまでパラクタを売り物にしようとした軍。そして、ヤドラ一族という不思議な力を駆使する民族だった母親。収穫祭を機に様々な過去を知ったネリムは、軍とヤドラ一族の謎を探るため、街を出ることを決意した。しかし、街の外に待ち受けていたのは厳しい現実だった。軍の意図通りに治められている自国、今もなお侵攻を続ける軍。初めて知る世界の現状だったが、ネリムは自分の正義を信じ続ける──。
第11回電撃小説大賞<金賞>受賞作『ひかりのまち』の待望の続編、新感覚ファンタジー第二弾!
   ――公式サイトより

感想

ライトノベルでは極めて珍しく、セックスという行為がストーリーと絡むシリーズ。このスタンスを何処まで続けられるか。
前作の予想通り、『キノの旅』を髣髴とさせる展開となった。これ自体は悪くないが、主人公がやや平凡な為、あまりクールな作品となれていない。また大きく問題なのは伏線の張り方で、あまりにも露骨過ぎる。これではストーリー序盤で全ての真相が見えてしまってもおかしくない。
真相に辿り着くまでに、とにかく会話を重視した前作ほどの拘りも感じられず、作品のウリが無くなってしまったようにも感じる。残念だ。


水晶宮殿 nerim's noteV

一言

先が読めてしまう伏線モドキが多い。

目次

プロローグ
第一章 国境越え
第二章 女性入城者
第三章 ビリヤード
第四章 水晶宮殿
第五章 ≪衝≫
最終章 もう一人の義兄
エピローグ

梗概

「日黒期」という暗闇だけが続く現象の真相を知り、母親の家系ヤドラ一族と軍の謎を追うため、辺境の街を出たネリム。他国に隠れ潜む王家が全ての鍵を握っているという情報を掴んだネリムは、王家の城に赴いた。一見、豪華絢爛に見えて、どこか不審な感じを受ける城。早く謎を知りたいネリムだが、城内では決まって悪夢ばかりを見てしまう。
「あなたは誰を支配したいの? 誰を邪魔だと思ってる? 誰を殺したい? 誰を手に入れたい? もっと確かに願うのよ。もっともっと──」
そして、なぜか他人のフリをするディネと遭遇して──。
第11回電撃小説大賞<金賞>受賞者が贈る、ネリムシリーズ第3弾!
   ――公式ホームページより

感想

前作『ガトリング・メロディ』と同様に伏線の張り方が上手くない。文章自体は勢い良く読む事が出来るのだが、それは先の展開を読めてしまうのが原因となっている。特に会話に関しては凝りに凝っていた『ひかりのまち』とは大きく異なる。作者の新作ペースは標準的だが、もう少し時間を掛けて詰めた方が良いのではないか。
シリーズとしては早くも山場を迎えそうな展開で、もしかしたら残り1,2冊くらいになるのかも知れない。最後の台詞が、その事を如実に物語っている。


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