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甲田学人

HOBBY MAIN

タイトル 出版社 初版日 勝手な採点 通販
Missing 神隠しの物語 電撃文庫 2001年07月25日 ★★★☆ 購入
Missing2 呪いの物語 2001年10月25日 ★★★ 購入
Missing3 首くくりの物語 2002年01月25日 ★★★★☆ 購入
Missing4 首くくりの物語・完結編 2002年03月25日 購入
Missing5 目隠しの物語 2002年06月25日 ★★★☆ 購入
Missing6 合わせ鏡の物語 2002年10月25日 ★★★★ 購入
Missing7 合わせ鏡の物語・完結編 2003年01月25日 購入
Missing8 生贄の物語 2003年05月25日 ★★★ 購入
Missing9 座敷童の物語 2003年10月25日 ★★★★ 購入
Missing10 続・座敷童の物語 2004年01月25日 購入
Missing11 座敷童の物語・完結編 2004年07月25日 購入
Missing12 神降ろしの物語 2005年03月25日 ★★★★★ 購入
Missing13 神降ろしの物語・完結編 2005年06月25日 購入
夜魔 メディアワークス 2005年11月30日 ★★★ 購入
断章のグリムT 灰かぶり 電撃文庫 2006年04月25日    

Missing 神隠しの物語

一言

論理性を排除しないホラー。

目次

序章 桜の森の満開の下
一章 魔王陛下はかく語る
二章 幽霊少女はかく語る
三章 夜の魔人はかく語る
四章 魔狩人はかく語る
五章 日常
六章 そして彼等はかく語る
終章 宴のあと

梗概

物語は『感染』する。そして徐々に、現実は『異界』に喰われている。
これは現代の『神隠し』の物語。その少女に関わる者は、誰もが全て『異界』へと消え失せるという怪異なる都市伝説。幼い頃『異界』から生還した過去を持つ少年――空目恭一。常に黒ずくめの格好をしている彼は、傲慢な態度とオカルトに関する圧倒的な知識量から「魔王陛下」と呼ばれ変人扱いされていた。
そんな空目恭一が、一人の『神隠し』の少女と出会った時……!
鬼才が贈る現代ファンタジー、登場!!
   ――表紙裏より

感想

オカルト系ホラーながら登場人物たちは極めて論理的な思考に従って行動し事態に対処する。となると神野陰之の存在などは“ファンタジー過ぎる”気がしないでもないが、目を瞑れない程ではない。
“異存在”の定義など、世界設定に難解な部分も多いが、その辺りは多少は曖昧でも物語自体は楽しむ事は出来る。


Missing2 呪いの物語

一言

オカルト知識満載。

目次

序章 始まりは魔女が告げる
一章 黒魔術の夜
二章 見えざるモノの夜
三章 軋む夜
四章 グリモワールの夜
五章 魔王と魔王の夜
終章 そして魔女は終わりを語らず

梗概

夜中の2時に、のろいのFAXがくる。
もし最初の送信を受けてしまったら、FAXは7夜のあいだ続く。最後の7夜めのFAXを受けたら、あなたは次の日から同じ時間、同じ手順で誰かにそのFAXを送らなければならない。もし送らなかったり、手順をひとつでも間違えれば……。

木戸野亜紀の部屋に送られた一枚のファックス。奇怪な文字と紋様で埋め尽くされたそれは、実はとんでもない代物だった。亜紀の周辺で次々と起こる異変。混乱する亜紀を救うため“魔王陛下”こと空目恭一が動き始めるが……!
人気の現代ファンタジーシリーズ第2弾!!
   ――表紙裏より

感想

オカルト知識の豊富さには脱帽。これらを読むだけでも価値が充分にある。
物語の方も面白いが、350頁近い分量はやや冗長な感がある。決着の付け方は巧いと思った。


Missing3/4 首くくりの物語

一言

とにかく昔話論が興味深い。

目次

序章 首吊りの木の種を植えた日
一章 悪夢の書
二章 黒衣の手
三章 魔道士の影
四章 黄泉の果実
五章 魔女の指
六章 夜の爪
間章 首吊りの木の枝葉の下に
間章 首くくりの木のある風景
七章 澱んだ朝
八章 翳りの枝
九章 来れる夜
十章 呼び声
十一章 偽りの果実
十二章 収穫祭
終章 首吊りの木が枯れた日

梗概

図書館の本にまつわる三つの約束事。
一、図書館にある『持出禁止』の本は、できるだけ読んではいけない。それには呪われた本が混じっている。
二、著者の死後に書かれた本。これは決して読んではいけない。死の世界へと引き込まれてしまう。
三、本を読んでいる途中に寒気がしたら、決して振り返ってはいけない。その時、あなたの後ろには死者が立っている。

日下部稜子の持ち物に借りたはずのない一冊の本が混ざっていた。表紙の裏に押された『禁帯出』のスタンプ。その本を「自分が返す」と言って持って帰った稜子の姉が首を吊って死んだとき、何かが動き始めた……!
人気の現代ファンタジー第3弾!!
   ――上巻表紙裏より

あるところにお母さんと、三人兄弟がありました。お母さんは病気が悪くて、山梨がくいたいと言いました……。

昔話『奈良梨取り』――。
そこに秘められた“真実の意味”が多くの人々を首くくりに誘ってきた。
そして今、死の連鎖を断ち切るべく、空目恭一が動き出す。すべての謎を解き明かしてくれるはずの一冊の書物――『奈良梨取考』を追う彼らの前に現れたのは、魔術に狂った一人の死人の妄執だった……。
異端の著作家・大迫栄一郎――“彼”と“首くくり”と“奈良梨取り”にまつわるすべての謎が解き明かされる――。
超人気現代ファンタジー、第4弾!
   ――下巻表紙裏より

感想

昔話の『奈良梨取り』を主眼に、独自の昔話論を展開する。これが説得力十分で一読の価値あり。実際の史実に基づいた大量の引用が非常に効いている。作者の知識自慢になっていない処にも好感出来る。
作中で行われる“見立て”など、ミステリー小説風の展開をしている為に今作はホラーという感じは薄いが、『Missing』シリーズはこの路線で進めていってもらいたいと思う。


Missing5 目隠しの物語

一言

ゲストキャラの行動にイライラしてしまう。

目次

序章 めかくしいろ
一章 たたりいろ
二章 とびおりいろ
三章 もふくいろ
四章 あくむいろ
五章 らくがきいろ
六章 いかいいろ
終章 かみかくしいろ

梗概

「コックリさん」――この儀式は心霊学的には霊魂との交信手段であり、自動書記などの延長線上にある一方、科学的には無意識の筋肉運動がもたらす現象だとして一応の決着がつけられている……。

聖創学院大付属高校で一人の少女が自殺した。死んだ彼女の名は雪村月子。彼女は死ぬ前日、“そうじさま”と呼ばれる<儀式>を行っていた。こっくりさんと同じやり方で行うその<儀式>は、学校に棲んでいるという小さな男の子の霊を呼び出すもので、やがて、その<儀式>に誘われて参加していた近藤武巳の周囲にも異変が起こり始めた……!
超人気現代ファンタジー第5弾。
   ――表紙裏より

感想

相変わらず圧倒的な知識を背景にした怪奇ストーリー。主人公である空目恭一の推論は、ある意味で極めて論理的だ。
一方で情けない性格のゲストキャラに対しては読んでいるだけで腹立たしくなる。感情移入し過ぎだろうか。
結末は少しダークで、そして全ての問題が解決されずに終わったのにはマイナスな印象。


Missing6/7 合わせ鏡の物語

一言

これまでの数々の断片的な事件の繋がりを見せ始める転換点。

目次

序章 習作
一章 前夜祭
二章 生贄の娘
三章 孤独の騎士
四章 盲目の道化師
五章 鏡の前の女
六章 祭りの中で
間章 首のない騎士
間章 夢は巡る
七章 風景
八章 記憶T
九章 記憶U
十章 光と影
十一章 抽象風景
終章 静物

梗概

・夜中の二時ちょうどに鏡を覗き込むと、鏡に死んだ人が映る。
・深夜二時に合わせ鏡をすると、鏡の中から悪魔が出てきて、取り憑かれてしまう。
・夜中に合わせ鏡をすると、霊が現れて鏡の中に引きずり込まれてしまう。

聖創学院に訪れた文化祭の季節。文芸部の面々も、会誌の作業に追われる日々を送っていた。そんな中、美術部の特別展示である『連作・鏡の中の七不思議』に、空目恭一らが遭遇した事件と明らかにリンクするモチーフが描かれていることを知った空目たちは、作者である八純啓のもとへ向かったが……!?
超人気現代ファンタジー第6弾!
   ――上巻表紙裏より

私の小学校では一階から二階に上がる階段の所に鏡がかけてあった。
夜中の二時に鏡の前に立つと、幽霊が映ると言われていた。昔、一人の女の子が夜中の学校に探検に行ったきり、帰ってこなかった。心配したみんなが次の日になって見に行くと、その鏡の前に女の子の上履きが揃えて脱いであった。
その女の子は鏡の向こうに行ってしまったと噂になった。
鏡は私が四年生の時に取り外されて、今はない。

『連作・鏡の中の七不思議』の作者である八純啓が変死し、行方不明になっていた赤名裕子と大木奈々美が戻ってきた。
だが異変は止まらない。そして……!
超人気現代ファンタジー第7弾!!
   ――下巻表紙裏より

感想

“魔王vs魔女”という構図を際立たせる事で、シリーズとしての体裁を整わせた作品。
いつものようにオカルト知識も満載で、読み応えも十分。一部のキャラクター付けに不満が残るものの、次巻以降への興味はさらに大きくなった。


Missing8 生贄の物語

一言

物語重視になった。それ故に不満が残る。

目次

序章 壁の中に
一章 白紙の中に
二章 山の中に
三章 街の中に
四章 土の中に
五章 夜の中に
終章 人の中に

梗概

羽間村の某が家の養ひ児、入らずの山に入りて帰らず。
神隠しに遭ひたりと聞く。
右、元屋の隠居たずねし折に伝へ聞きし事、ここに記すもの也。

聖創学院高等部で、シャワーを浴びていた一人の少女が消えた。学校に伝わるある怪談そのままに。
一方、空目恭一ら、文芸部の面々はとある場所に向かっていた。そこにいたのは精神に異常を来した空目の母親で、彼女を皆が紹介した後、空目は文芸部の面々にある宣言を行うのだった……!
ついに羽間にまつわるひとつの秘密が明らかにされる――!!
超人気現代ファンタジー、第8弾!
   ――表紙裏より

感想

『合わせ鏡の物語』でストーリーが佳境に突入した為か、今作では物語が大きく動き出す。しかしその分、オカルト知識からの引用が激減してしまい、物足りなさを感じる結果となってしまった。そこそこ長めの分量だったが、もう分冊するくらいでないと“ホラーファンタジー”としては成り立たせ難いのかも知れない。
相変わらず一部のキャラクターの行動には違和感を覚えるが、これは仕方ないのだろうか。


Missing9/10/11 座敷童の物語

一言

力作だが、穴が空いてしまった感も有る。

目次

序章 片割れへの密かなる呼び声
一章 魔女の帰還
二章 竜宮童子
三章 使徒
四章 魔道師
間章(一) 人形への呼び声
間章(二) 祭司達への呼び声
五章 人形の帰還
六章 魔女宗
七章 帰還者
八章 再誕
間章(三) 二人への呼び声
間章(四) 子供達への呼び声
九章 少女の帰還
十章 座敷童
十一章 チャイム
十二章 夜会
終章 片割れへの呼び声のあと

梗概

座敷童とは「福をもたらす童女の霊」という形だけでなく、愛らしいどころか不気味な姿をしたもの、また福だけでなく不幸の先触れである場合も『座敷童』の範疇に含むとしている。あくまでも、この童子の本質は『怪異』である事を忘れてはならない。

「――ようこそ、みんな。“ここ”では久しぶりだねえ」
その言葉とともに、“魔女”――十叶詠子は聖創学院に帰ってきた。そして、その“帰還”にあわせるように空目恭一ら文芸部の面々の間に微妙な亀裂が入り始める――。
超人気現代ファンタジー第9弾!
   ――上巻表紙裏より

伝承の『座敷童』が“引っ越す”事があるのは知られているが、実はこれに関しても陰惨な伝承との関わりが考えられている。ある家に座敷童が入った時、多くはこのような話が語られる。『ある家に子供が入ったが、出てくる姿を誰も見なかった。その後、その家は急に富み栄えるようになった』と。

「ここに闇あれ」
深夜、魔女・十叶詠子と、彼女の使徒たちが動き出した。今だ語られざる“なにか”に向けて。
一方、木村圭子のもとに現れた童子様の正体が明らかになり……!
超人気現代ファンタジー第10弾!
   ――中巻表紙裏より

うちの学校には“夜に鳴るチャイム”の噂がありました。
それは絶対に聞いてはいけないチャイムで、死んだ人の時間が始まるということを知らせるチャイムなんだそうです。
そういえば、うちの学校には用務員さんや宿直の先生がいませんでした。

“どうじさま”はゆっくりと確実に聖創学院を蝕みつづける――。
その状況に抗するべきかつての文芸部の面々はすでに分裂してしまっている。
さらに復活した魔術師と魔女宗も動き始め……。
シリーズの核心に迫る第11弾!
   ――下巻表紙裏より

感想

3分冊にも及んだ今作は間違い無く力作だ。相も変わらず、多大なるホラーの歴史的事実をモチーフにした怪奇現象の数々を見せ付ける手法は、全く飽きが来ない。さらには5人の主人公達の間の溝を決定的にする過程も緻密に描かれており、それがドラマ性までも高めている。
しかし、力作ゆえに伏線の回収には苦労したようだ。個人的には亜紀の自己犠牲的な行為の反応が、殆ど全く描かれなかった事に違和感を覚える。次巻以降に持ち越し、という事だろうか? だとすると意外にも彼女が物語の結末の鍵を握るのかも知れない。
どちらにせよ、結末が近い事に変わりは無い。作者はこれまでの事件の殆どを絡ませるつもりらしいので、これからどうなって行くのかの興味は尽きない。


Missing12/13 神降ろしの物語

一言

上巻・下巻、共に圧巻。

目次

序章 魔女の物語
一章 天より声、降る
二章 人より怪、出づ
三章 心より影、来る
四章 黙より音、湧く
間章(一) 黒衣の物語
間章(二) 神隠しの物語
五章 間より人、移ろう
六章 各より謀、放たる
七章 怪より怪、連なる
八章 月より宴、始まる
九章 山より神、降りる
終章 神隠しの物語・完結編

梗概

「……ねぇねぇ、トモ。知ってる? あのケータイの噂。あ、知らないんだ? ふっふっふ。私ねー、聞いちゃったんだ。ケータイのね、怖い話。そう。あのねぇ、ケータイって電波でしょ? だからね、ときどき悪い電波も拾っちゃうんだって。死んだ人の声とか、ヤバいやつ」

聖創学院をむしばむ多すぎる数の怪談――だが、その怪談はある時期から徐々に数を減らし始めていく。同時にいくつかの特定の噂がささやかれる頻度は著しく上がっていき……。
その先に待っているのは、魔女の望む世界なのか――。
超人気現代ファンタジー第12弾!
   ――上巻表紙裏より

神隠しの少女、あやめ。
神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。
その空目を護ることを誓った村神俊也。
呪われた血を持つ木戸野亜紀。
愛のために友を裏切った近藤武巳。
近藤のことをただ慕う日下部稜子。
人にあらざるモノ、神野陰之。
ひたすらに知識と力を渇望する魔術師、小崎摩津方。
呪われた土地に立つ聖創学院。
異界を望む魔女、十叶詠子。

すべての因果がそろい、そしてかつて神が棲んだ山から、“ソレ”がやって来る――。
超人気現代ファンタジー、ついに完結!
   ――下巻表紙裏より

感想

ゆっくりと物語の核心に迫って行く上巻。そしてこれまでの全てのエピソードの伏線を回収すべく、怒涛の展開を見せる下巻。共に圧巻である。
とにかく凄い。その凄さを端的に表すならば、「全てに於いて抜かりが無い」とでも言おうか。特に下巻に於ける、それまでの12巻にも及ぶ“プロローグ”に対する“エピローグ”の付け方が素晴らしい。極めて説得力の有る結末には脱帽だ。
唯一ケチを付けるとすれば、それは小崎摩津方が近藤武巳を信頼し過ぎた点だろうか。しかしそれも、この名作の前では小さな事である。
作者の次回作に期待したいが、これ以上のシリーズを望めるのか、という一抹の不安は残る。


夜魔

一言

100%ホラー風味。

目次

罪科釣人奇譚
繕異奇譚
魂蟲奇譚
薄刃奇譚
魄線奇譚
現魔女奇譚

梗概

──その男は「陰」を引き連れて現れた。

それは誇張でも何でもなく、実際『彼』が現れた途端に突如として陽が翳り――清々しい光輝に満ちていた朝はあたかも異界のように、禍々しい陰に覆い尽くされた。
それはあまりに速やかに周囲の世界を塗りつぶした。そして爽やかな朝の河川敷を一瞬にして、危険な夕闇の川縁へと変えてしまった。
美貌の男だった。
   ――本文6ページより

感想

『Missing』シリーズの前日譚的な物語。全ての短編に神野陰之と十叶詠子が登場する。どちらかと言えば十叶詠子は脇役で、主役は神野陰之だ。
ただ本作が『Missing』と決定的に違うのは、徹底的にホラーに徹しているという事だ。超常現象を解説する魔王陛下は存在しない。だからこそ『Missing』の何処に魅力を感じていたかで、この作品の評価は大きく分かれると思う。


断章のグリムT 灰かぶり

一言

目次

梗概

   ――

感想


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