独特の言葉遣いが気になる。
T 秘密 又は 予知 U 罠 又は 怨念 V 告白 又は 疑惑 W 真相 又は 死
弟切草……その花言葉は『復讐』。
ゲームデザイナーの公平は、恋人奈美とのドライブで山中、事故に遭う。二人がやっとたどり着いたのは、弟切草が咲き乱れる洋館だった。
「まるで俺が創ったゲームそのものだ!」愕然とする公平。しかし、それは惨劇の幕開けだった……。
話題のベストセラーゲームを乱歩賞作家の原作者がオリジナル小説化! ――裏表紙より
ゲーム『弟切草』のノベル化かと思いきや、事情が少々異なる様子。これはゲーム『弟切草』を扱った小説である。つまり、作中に『弟切草』が出てくる訳だ。
ゲームの時も感じたが、この作者の文章は言い回しに癖が強い。特に台詞に違和感の有る物が多く、そこが残念である。
作品構成は凝っている。展開は強引さが抜け切れていないが、ホラーものとしてはマズマズだろう。300ページ以上のボリュームの割に、主人公の弟などの存在が途中で置き去りにされている感は拭えないが、二転三転する物語は悪くない。