タイトル | 出版社 | 初版日 | 勝手な採点 | 通販 |
---|---|---|---|---|
イノセンス After The Long Goodbye | 徳間書店 | 2004年03月31日 | ★☆ | 購入 |
ドラマ性の無い平坦なストーリー。
プロローグ Chapter1 ハロー、暗闇 Chapter2 引き裂かれた夜 Chapter3 そして沈黙の音に触れた Chapter4 自分たちがつくったネオンの神 Chapter5 わが手を取れ エピローグ
男の人生は、つねに何かを喪っていく過程であった。
目、腕、内臓、脳細胞、生身であったはずのさまざまな場所、希望、記憶、時間、命さえあずけられたパートナー――
あの日おとずれた、長いお別れの後……、かけがえのない存在だったひとりの女が消え去った街に、その広すぎる世界に、彼はいた。
ほとんどが機械となった強靭な身体をもてあましながら。
生きている――いや、生きていられるとはどういうことなのか?
話題のアニメーション映画『イノセンス』へといたる、孤独のなか、ただ懸命に何かを求めた男のもうひとつの物語。 ――表紙裏より
映画『イノセンス』の前日談。行方不明になった飼い犬を探すバトーの物語。
これが少なくとも中盤までは非常に退屈で、後半になればそれなりの展開を見せるものの、それでもやはり苦しい。バトーの心理状況を淡々と描くが故に、ドラマチックなストーリーは完全に捨てている。
これで映画版のような、深いメッセージ性を読み取れるような作品ならば良かったのだが、それもまた難しい。結局の所は、『攻殻機動隊』という世界観を深める為の小説、という位置付けで受け取った方が良さそうだ。