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安井健太郎

HOBBY MAIN

タイトル 出版社 初版日 勝手な採点 通販
ラグナロク 黒き獣 角川スニーカー文庫 1998年07月01日 ★★☆ 購入
ラグナロク2 白の兇器 1998年09月01日 ★★ 購入
ラグナロク3 銀の深淵 1999年01月01日 ★★☆ 購入
ラグナロク4 青き双珠 1999年04月01日 ★★☆ 購入
ラグナロク5 紫の十字架 1999年09月01日 ★★★ 購入
ラグナロク6 黄金領域 1999年10月01日 ★★★ 購入
ラグナロク7 灰色の使者 2000年05月01日 ★★★☆ 購入
ラグナロク8 翡翠の罠 2000年09月01日 ★★★★ 購入
ラグナロク9 背神の遺産 2001年07月01日 ★★★☆ 購入
ラグナロク10 廃都の幻影 2002年06月01日 ★★★☆ 購入
ラグナロク11 獣の系譜 2004年10月01日 ★★★☆ 購入
ラグナロクEX. BETRAYER 1999年11月01日 ★★★☆ 購入
ラグナロクEX. DIABOLOS 2000年07月01日 ★★★☆ 購入
ラグナロクEX. COLD BLOOD 失われた絆 2001年01月01日 ★★★★★ 購入
ラグナロクEX. DEADMAN 2001年04月01日 ★★★ 購入
ラグナロクEX. THE OUTSIDERS 2002年01月01日 ★★★★★ 購入
ラグナロクEX. SANCTUARY 2002年03月01日 ★★★ 購入
ラグナロクEX. THE LEGACY 2003年01月01日 ★★★☆ 購入
ラグナロクEX. FEARLESS 2003年10月01日 ★★☆ 購入

ラグナロク 黒き獣

一言

戦闘描写に特化したアクション小説。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
第4章
終章

梗概

たぐいまれなる能力をもちながら、傭兵ギルドをぬけた変わり者、リロイ・シュヴァルツァー。そして彼の信頼すべき相棒である、喋る剣、ラグナロク。二人の行くところ、奇怪な武器をあやつる暗殺者から、けた違いの力をふるうモンスターまで、ありとあらゆる敵が襲いかかる――かつてないパワー、スピード、テクニックで、格闘ファンタジーに新たな地平を切りひらくミラクル・ノベル誕生。   ――裏表紙より

感想

ストーリーは詰まらなくはないが、決して面白い訳ではない。しかしそれを補っているのが濃密な戦闘描写である。ここまでアクションに拘ったライトノベルは他に無いのではないか?
しかし最大のクライマックスと思われるシーンがまだ全体の半分にも満たない場面で展開されるのには賛否両論有りそうだ。


ラグナロク2 白の兇器

一言

常に戦闘しているのには唖然。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
終章

梗概

私は、リロイ・シュヴァルツァーとともに戦っていた……我が相棒はかつてS級にランクされていたほどの傭兵のくせに、今では厄介事に巻き込まれるばかりの迷惑な男だ。カナンの街でも、海賊に襲われる女を助けたために、困難な争いに首を突っ込むことになった。その結果、否応なしに私も働かねばならない。私の名はラグナロク、彼が腰に差した剣だ。――凄腕の傭兵リロイと言葉を操る魔剣ラグナロクの闘いを描く格闘ファンタジー第2弾。   ――裏表紙より

感想

苛烈な戦闘描写で突き進む、正に“格闘ファンタジー”。ほぼ全編に渡って闘いばかり。それでもそれなりにストーリーが進んでいるのが不思議だ。クライマックスを中盤に配置し、全体を2部構成のようにしているのは前作と同様。
一話完結していた前作とは変わり伏線を幾つか残したままにしている。これから長編シリーズとなっていくようだ。


ラグナロク3 銀の深淵

一言

謎の組織の登場で長編化の予感。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
第4章

梗概

執拗に二人をつけねらう謎の組織ヴァルハラ。傭兵リロイと相棒の魔剣ラグナロクは、組織の手がかりを掴むため、大陸中の情報が集まる都市アガトを訪れたのだが、調査に掛かろうとした矢先、二人の前に、当のヴァルハラのエージェントを称する黒眼鏡の男が現れる。男は、リロイに驚くべきヴァルハラの目的を語り始めた……リロイの正体は? 闇の種族をめぐる世界の秘密とは? 面白さが加速する、超絶技巧の格闘ファンタジー、第3巻!!   ――裏表紙より

感想

アクション映画らしさに磨きが掛かって来た。今までのような二重のクライマックス構造は影を潜めたものの、その代わりにストーリー展開の面白さが出ている。
主人公の行動には(かなり)疑問が残るが、他のキャラクター達の魅力は大きい。


ラグナロク4 青き双珠

一言

格闘シーン頼みから脱却しかけている。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
第4章
終章

梗概

謎の組織ヴァルハラの正体をさぐるため、私とリロイが城塞都市アガトを訪れたところ、意外なことに、組織は、リロイに対して、その一員となるよう求めてきた。切り捨てるように断るリロイ。しかしヴァルハラは、都市爆撃を交換材料にして、ついに彼を本部行きの飛行船に招待することに成功し、私も同行することになった。私の名はラグナロク、彼の剣だ――傭兵リロイと魔剣ラグナロクが活躍する衝撃の格闘ファンタジーいよいよ好調。   ――裏表紙より

感想

登場キャラクターを増大させつつも、面白くなりそうな予感を感じさせる。元々お得意の重厚な格闘シーンは以前よりも読み易くなった。これは大切な事だと思う。
ライバルキャラのキルシェ&オルディエが定型的過ぎるのが気になるが、以降の巻に期待が持てる。


ラグナロク5 紫の十字架

一言

巻を重ねる毎に面白さが増している。

目次

序章
第1章
第2章
第3章

梗概

大国ヴァナードの王都ソフィア。大陸一の美しさを誇るこの街を、女王フレイヤを狙って≪葉隠≫の暗殺部隊が襲う。第一王位継承者となったマリーナを連れ、王都を訪れた私とリロイは、暗殺計画を告げるべく女王への面会を求めたが……よりによってそこには、ボディガードとして宮廷滞在中のヴァルハラのエージェントが待っていた! 私の名はラグナロク、リロイの相棒にしてその剣だ――前代未聞の格闘ファンタジー、新展開の第5巻。   ――裏表紙より

感想

ヴァルハラ・クライスト教団・ヴァナード王国と、主人公以外に於ける物語要素が増えた事で、ストーリーに深みが出始めた。「主人公が活躍しない方が面白い」という状態は如何なものかと思うが、事実だから仕方ない。
今回はラストでモロに次巻へ続かせる一文が有るが、2ヶ月連続刊行(外伝を含めると3ヶ月連続)を行うようだ。そういう姿勢は非常に良いと思う。


ラグナロク6 黄金領域

一言

伏線の為だけの第3部。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
終章

梗概

強敵シュタールとの過酷な戦いを終えて、城に戻ったリロイを待っていたのは、マリーナの誘拐事件だった。犯人の要求を毅然と拒否したフレイヤ女王は、次々と捜索の手を打つ。だが、勝手な行動を禁じる女王に、我慢ならなくなったリロイは、ひとり城を飛び出すことに……私の名はラグナロク。リロイの相棒にして彼の剣だ。今回は、おまえの無茶な探索行のために、人の姿を取らざるを得ないらしい――超格闘ファンタジー、注目の第6巻。   ――裏表紙より

感想

今回は第3部が長大なエピローグという感じである。今作のメインは第2部までで終わっており、第3部は今後の為の伏線を張る事に終始しているからだ。既に第6作にもなる『ラグナロク』シリーズだが、まだまだ終わらせるつもりはないらしい。
それにしてもランディ・ゴルドの無敵さには呆れるばかり。どうやって倒すのだろうか?


ラグナロク7 灰色の使者

一言

外伝シリーズを読んでおくべき。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
第4章
終章

梗概

アスガルド皇国第二の都市ヴァーケルン。マリーナを誘拐した張本人バルドルが治めるこの街に乗り込んだリロイと私の前に現れたのは、新手のヴァルハラのエージェントだった。しかも意外なことにその男は、リロイのかつての相棒だったらしい。二人の過去に何があったかは詮索しないが、またしてもやっかいなことになりそうだ……私の名はラグナロク。リロイの剣にして、彼の唯一無二の相棒だ――超格闘ファンタジー、待望の第7巻!   ――裏表紙より

感想

巻数を重ねる毎にドラマ性を増していくシリーズ。今回からは外伝『EX』シリーズとも絡め出し、面白さに拍車を掛けている。一方で『EX』シリーズを読んでいないとジェイスがただの非道な奴という認識になってしまい、主人公に対して深い感情移入が出来ないかも知れない。
サブキャラクターが魅力的なシリーズだったが、ここに来てようやく主人公にも魅力が出て来た。これからが益々楽しみだ。


ラグナロク8 翡翠の罠

一言

映画さながらのどんでん返し。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
第4章
終章

梗概

深夜、皇都エクセルベルンの路上を、私たちは走っていた。この街で相棒は、凶悪なテロリストとして指名手配されている。執拗に迫る追っ手。突然襲いかかる教団の巡察執行士。だが、戦うリロイの姿に生彩がない。あまつさえ黒い血が口から吐きだされた。大丈夫か、相棒よ! マリーナ王女誘拐事件も正念場だというのに……私の名はラグナロク。リロイの頼れる相棒にして剣。どうやら、出番が増えそうだ。絶好調の超格闘ファンタジー。   ――裏表紙より

感想

今作は『翡翠の罠』というサブタイトルが秀逸。映画を見ているかのようなどんでん返しの応酬は読んでいて爽快感すら感じる。
中盤でアルティシアがレナを平手打ちにするシーンのイラストも良い。女は怖いなぁ、と。


ラグナロク9 背神の遺産

一言

それぞれの思惑が交錯するドラマ的な展開が良い。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
第4章

梗概

神の使徒に祝福を、異教徒に死を――湖上の移動都市イスファールで再開したリロイとカイルをウィルヘルム派の刺客が襲う。新たに派遣された枢機卿は、凶悪なテロリズムで、カイルたちを追いつめ、分断してゆく。巡察執行士の捨て身の攻撃によって湖に落下するリロイ。しかたなく実体化した私は、独り枢機卿に立ち向かう……私の名はラグナロク。リロイの相棒にして剣。だが、今は剣ではない我が力を見せる時だ。波瀾万丈の最新刊。   ――裏表紙より

感想

物語の作り方がどんどん巧くなっていくのを感じる。久し振りに戦闘が多い巻となったが、あまりそれを意識させない。
今作ではカムイが、キャラクターとしては全く立っていないが、非常に良い敵役となっていた。これもまた効果的だったと言える。
ラストでの次巻への“引き”は完璧だ。外伝シリーズを読んでいれば、どれだけ大きな事件が起こっていたのかが想像できる。今後の展開への期待大。


ラグナロク10 廃都の幻影

一言

外伝から次巻への橋渡し的な位置付け。

目次

序章
第1章
第2章
第3章
第4章
終章

梗概

交易商社アイントラートは、人間と共存しようと考える≪闇の種族≫たちの組織だ。彼らは、本拠地イグリスで、ヴァルハラとの和平会談に臨んだのだが……その結果は、街の七割が破壊される災厄に終わった。表向きには局地的地震とされたこの大災害の後、イグリスに到着した相棒に、新たな依頼が舞い込む……私の名はラグナロク。相棒リロイの剣にして、対≪闇の種族≫最終兵器たる私にとって、この街は最悪だった! シリーズ最新刊。   ――表紙裏より

感想

加速度的に面白さが増す『ラグナロク』シリーズだったが、今作は一休みした感じ。外伝である『ラグナロクEX. THE OUTSIDERS』の後始末的な位置付けで、ストーリーは大して進まない。
そろそろシリーズも終盤が近付いて来たようだ。あと3巻くらいで完結だろうか。


ラグナロク11 獣の系譜

一言

意外な事に新展開。ただの水増しでは無さそうだ。

目次

序章
第1章
第2章
第3章

梗概

いざヴァルハラへ――イグリスでの一件に決着をつけるため、ヴァルハラ本社を目指し、海を渡るリロイとテーゼ。しかし、立ち寄った「弥都」で彼らを待ち受けていたのは、ウィルヘルム派と≪葉隠≫の刺客、そして明らかになる“イヌガミの血と歴史の真実”だった……私の名はラグナロク。リロイの頼れる相棒にして剣。五千年を過ごしてきた私にも、まだ知らぬことが残っていたようだ。超格闘ファンタジー新展開“弥都編”スタート。   ――裏表紙より

感想

2年4ヶ月振りの本編新作は、予想外の展開を見せる事となった。前作では物語の終結が近いと思っていたが、まだまだ続きが有るようだ。
今作では主人公やその周辺が窮地に追い込まれる事も殆ど無く、これまでの『ラグナロク』シリーズとは一線を画すが、独特の皮肉的な言い回しは健在。新章の幕開けという事でユーモラスな展開が多いが、次巻への“ヒキ”は充分だ。
新キャラクター達も、なかなか面白い。問題は執筆速度が極度に遅くなってきた事くらいか。


ラグナロクEX. BETRAYER

一言

本編との巧い絡ませ方が見事。

目次

STRANGER ストレンジャー
GUN CRAGY ガン・クレイジー
WHITE FANG 魂の確約者
BETRAYER 裏切りの報酬

梗概

生きるために、大切な何かを売り渡してしまったことはあるか――俺とリロイは衝突しながらも数々の任務をクリアしてきたスゴ腕傭兵だ。だが、頻発する傭兵の失踪事件に首を突っ込んだ俺たちは、巨大な組織に狙われるハメに! 今回ばかりはヤバイぜ、リロイ。
そう、俺の名はジェイス。顔、知性、腕っ節と三拍子そろった若き傭兵、それがこの俺様だ――超格闘ファンタジー『ラグナロク』のニューブランド、ついに登場!
   ――裏表紙より

感想

『ラグナロク』シリーズ外伝。本編との絡ませ方が巧いと思う。作者が「外伝ではなく表裏一体のシリーズ」と主張するのもよく分かる。
「ストレンジャー」と「BETRAYER 裏切りの報酬」との間のジェイスの変貌ぶりが心に痛い。


ラグナロクEX. DIABOLOS

一言

外伝としては非の打ち所が無い。

目次

RELIC レリック
DIABOLOS ディアボロス
THE MISSION ミッション
SYMPATHY FOR THE DEVIL 悪魔を憐れむ歌

梗概

煉獄の悪魔にも、人の心が芽生えるのだろうか――悪徳と絶望が支配する犯罪都市ソドム。このイカした掃き溜めで出逢った“悪魔の子”リロイに、らしくもなく関わっちまったばかりに、俺は、またしても血と硝煙での匂い漂うただ中へと踏み込んで行く……。俺の名は、アレクサンドル・リュヴィール。今は≪鋼鉄の男≫と名乗っている、人の姿を借りた悪魔。それが俺だ――超格闘ファンタジー『ラグナロク』の謎を解き明かす『EX.』ブランド登場!   ――裏表紙より

感想

前作『BETRAYER』と同様、『ラグナロク』本編との連携が非常に巧く取れている。裏設定的な位置付けだが、これを読まない事には本編を理解していくのが、これから大変になるかも知れない。
というか、絶対に読むべきだろう。外伝の書き方としては模範的な作品であると思う。


ラグナロクEX. COLD BLOOD 失われた絆

一言

友情の裏切りが切ない。

目次

序章
一章
二章
三章
四章
終章

梗概

人を裏切るってのは、どんな気持ちなんだろうか――友の裏切りによって傭兵ギルドを辞したリロイ。心身共に傷つき、狂犬のように荒んだ彼が漂泊の末、辿り着いたのは、かつての恩人リーナス王子が治めるカルジア王国だった。折しも動乱の足音が忍び寄るその地で、リロイは美貌の暗殺者レナと運命の出会いを果たすが――超格闘ファンタジー『ラグナロク』の姉妹ブランド『EX.』が、初の長編書き下ろしで登場!   ――裏表紙より

感想

リロイとレナとの間に何が有ったのか、という本編シリーズの謎を解き明かす作品。外伝としては初の長編書き下ろしだ。珍しく三人称で進行する。
震撼した。これまでの安井健太郎のイメージを一新させる程の出来栄えだ。サンドラやジェイス達と組んでいた日々。そしてその二人を失って絶望するリロイに新たな生き甲斐を与え得たリーナス。これまでの『ラグナロク』&『ラグナロクEX.』シリーズを前提にしているとはいえ、多くの要素を詰め込みながらも本筋を見失わずに最後までまとめた構成には素直に驚いた。
結末は哀しいが説得力が有る。本編に於いて主人公の魅力を増すのにも効果的な作品だっただろう。


ラグナロクEX. DEADMAN

一言

後味の悪い話が多い。

目次

HIDDEN ヒドゥン
DEADMAN デッドマン
OUT FOR JUSTICE アウト・フォー・ジャスティス
THE RIVER WILD ザ・リバー・ワイルド
INSIDER インサイダー

梗概

生きながら死者の列に加わった奴の気持ちが、おまえに分かるか――あれから三年。ヴァルハラのエージェントとなった俺に、社の機密を持って逃げた奴らの抹殺指令が下った。いわゆる最低の汚れ仕事って奴だ。だが、いまさら何をためらうというのか。相棒を裏切り、すべてを失ったあの日から、俺に失う物など何もないのだから……。俺の名はジェイス。ただ腐っていくだけの死人、それが俺だ――大人気超格闘ファンタジー、最新刊!   ――裏表紙より

感想

短編集シリーズとしては3冊目。今作は「HIDDEN」「THE RIVER WILD」「INSIDER」が関連性が深く、独立した1冊としても楽しめる。ただ全体的に内容は後ろ向きだ。
そんな中で「OUT FOR JUSTICE」の気楽さは目立ってはいるが、出来は良いとは言えない。やはり『ラグナロク』シリーズ本編との絡みで楽しむ、というのが本道なのだろう。


ラグナロクEX. THE OUTSIDERS

一言

豪華な登場人物たちは、まるでオールスター。

目次

序章
一章
二章
三章
四章
終章

梗概

人は、なぜ己と異なる者を許容できぬのか――人類との共存を目的としてきた俺たち≪アイントラート≫と≪ヴァルハラ≫の頂上会談が、ついに実現した。だが、我々の望みがかなうというのに、俺の胸に蟠るこの不安は何だというのか……。俺の名は、テーゼ。≪アイントラート≫の社長代理にして、君たち人間が≪闇の種族≫と呼ぶ存在だ――超格闘ファンタジー『ラグナロクEX.』、待望の長編書き下ろしで、驚愕の真実が明らかに!   ――裏表紙より

感想

『ラグナロク9 背神の遺産』の時にイグリスで何が有ったのかを明らかにする作品。それぞれのエピローグがリンクしている為、今作ではリロイは全く登場しない。代わりの主人公はテーゼと、そしてヴァレリオ・ザントだ。
まず敵側のザントを主役の一人に据えたのが秀逸。これによりテーゼとの比較を明確になったし、ストーリー的にも両軍の視点から描けるので分かり易くなった。今作はどうしても主人公一人の一人称では無理が有ったが、三人称だと二人の心情を克明に描けないという欠点も有った。これらを同時に解決する方法として、この二人主人公制は優れていると思う。
また脇役達があまりにも豪華。イレーヌ、ランディ、ラティファ、メーヴェ、カルテイル、ベアトリスといった物語上の重要人物たちに加え、ロゼリア、ネロス、アズサ、マレーネという実力的に最高峰の登場人物たちが激闘を繰り広げる。しかもストーリー終盤ではフリージアの“出産”というイベントを絡め、読者を楽しませるイベントのオンパレードである。
『ラグナロクEX. COLD BLOOD 失われた絆』ほどの感動が有る訳ではないが、アクション娯楽小説としては完璧に近いのではないだろうか。


ラグナロクEX. SANCTUARY

一言

いつも以上にバラエティ豊かな短編集。

目次

BAD GIRLS バッド・ガールズ
SAINT セイント
SANCTUARY サンクチュアリ
ENTRAPMENT エントラップメント

梗概

逃避所に過ぎないくせに、なにが聖域だ――ヴァルハラの人体実験の餌食となった者たちが集う隠れ里、≪聖域≫。知人を訪ねるとはいえ、いつ来ても胸くそ悪い村だが、今回はその滞在も楽しくなりそうだ。俺の来訪を察知したヴァルハラが、絶滅部隊を村に送り込んできたからだ。しかし、今回の俺は足手まといを一匹抱えている。リロイという名のガキを……。俺の名はリュヴィール。優しくダンディなオジサマだ――シリーズ最新刊!   ――裏表紙より

感想

本編と密接に関わりながらもバラエティ豊かな短編を収録する『EX.』シリーズだが、今回もそれは健在。特に「ENTRAPMENT」は適度にコメディチックな展開であるにも拘らず実は重要人物が入り乱れており、そしてイベントとしても心憎い箇所を明らかにしている。
それにしてもリュヴィールを主人公にした物語が出来るのは少しズルイかな。本来は主役を張れるようなキャラクターではないのだが、短編だからこそ許されている。


ラグナロクEX. THE LEGACY

一言

主人公に関するエピソードは、これで終了か?

目次

THE LEGACY レガシー
DESPERADO デスペラード
KILL TIME キル・タイム

梗概

あなたが、彼を相棒に選んだからです――人間と≪闇の種族≫のあり得ない共存の理想を説く仇敵レディ・メーヴェに、その理由を聞かされ動揺するラグナロク。折り悪く≪アイントラート≫と敵対する≪闇の種族≫の襲撃に遭い、リロイは片腕を失い暗黒の深淵へと呑み込まれてしまう。膠着と混乱――しかしその時、その闇の中から破壊の衝動を伴う憎悪に満ちた唸り声が……。闇の核心に迫るEX.最新刊にして最大の秘話ついに登場!   ――裏表紙より

感想

主人公リロイが初めて獣化したエピソードを描いた中編「THE LEGACY」がメイン。恐らくは『ラグナロク』シリーズ開始直前の時期に当たると思われる。これでリロイ自身の過去に関する主要なエピソードは出尽くした感じだろうか。
今作は、その他の2作もそれなりに独自色が強く面白い。物語の数が3つだけなのが唯一の不満だ。


ラグナロクEX. FEARLESS

一言

これまでのような纏まりが跡形も無くなってしまった外伝集。

目次

FEARLESS フィアレス
THE THING ザ・シング
DOUBLE TEAM ダブル・チーム
ALICE アリス

梗概

助けてもくれない神を罵ったところで、誰がおまえを責める――ヴァルハラのエージェントの俺にクライスト教団枢機卿の護衛の命が下った。しかし、異端ウィルヘルム派の攻撃にも話し合いを主張するエッダという教団の小娘が……まったくまだるっこしい。力もない者が、神を後ろ盾にして調子に乗るな。俺の名はアレクサンドル・リュヴィール。痛みを感じない≪魔王≫。それが俺だ――大人気超格闘ファンタジー待望の最新刊!   ――裏表紙より

感想

『ラグナロクEX.』シリーズは本編との絶妙な絡ませ方が素晴らしかったのだが、どうやら今作はネタ切れらしく、単なる短編集と化してしまっている。そんな中で「アリス」は良い味を出していた。
後書きで新シリーズを出したいという事を書いているが、そんな事よりも本編シリーズを早く出してくれ、というのが本音。


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