| タイトル | 出版社 | 初版日 | 勝手な採点 | 通販 |
|---|---|---|---|---|
| 機動警察パトレイバー２ シンタックス・エラー | 富士見ファンタジア文庫 | １９９２年０３月２５日 | ★★★ | 購入 |
| 機動警察パトレイバー３ サード・ミッション | １９９２年０９月２５日 | ★★☆ | 購入 | |
| 機動警察パトレイバー４ ブラック・ジャック＜前編＞ | １９９３年０９月２５日 | ★★★★ | 購入 | |
| 機動警察パトレイバー５ ブラック・ジャック＜後編＞ | １９９３年１０月２５日 | 購入 |
両作とも過程が面白い。
ＦＩＬＥ３ シンタックス・エラー ＦＩＬＥ４ 父の息子
マンガ、劇場映画、ＴＶシリーズ、ビデオアニメ等さまざまなジャンルに活躍の場を広げる『機動警察パトレイバー』、完全オリジナル小説がついに登場。
特車二課のモテない中年男後藤隊長に恋人出現！？ しかし、彼女には別の愛人もいるらしい。ことの真偽を確かめるため、泉野明と後藤の姪真帆子は噂の彼女の職場、高級クラブ『桃花源』へホステスとなって潜入するが……。
野明と真帆子の無邪気な行動が思わぬ事態を引き起こす『シンタックス・エラー』そして、篠原遊馬の秘められた過去と心の葛藤を描く『父の息子』の２編を収録。 ――表紙裏より
コミカルタッチな「シンタックス・エラー」に対して、繊細な男の心情を描いた「父の息子」。対照的な２つの作品を、しかし違和感無く続けて読む事が出来るのは『パトレイバー』という下地があればこそか。
両作ともなかなかの出来だが、「シンタックス・エラー」はオチが少々拍子抜けした感もある。また、「父の息子」は読者が“男の”繊細な心情を読みたいと思うかどうかが鍵か。
目次の順番に違和感を感じる。
ＦＩＬＥ５ 香港小夜曲 ＦＩＬＥ６ サード・ミッション
特車二課の学級委員こと才色兼備の熊耳武緒巡査部長は、香港研修時代、マフィアがらみと思われるニセ札事件を追っていた。多忙な日々のさなか、ふとしたきっかけで知りあったリチャード・王という若者に心惹かれる熊耳。しかし、彼の素性は謎に包まれていた……。のちに特車二課の行く手に大きな影を落とすことになるとある人物と熊耳との奇しき因縁が明かされる『香港小夜曲』、そして農作業を好きな好青年山崎ひろみの巻き込まれた珍騒動を描く『サード・ミッション』の二話を収録。『機動警察パトレイバー』の完全オリジナル小説版登場。 ――表紙裏より
香港という異国の舞台を情緒豊かに描いた「香港小夜曲」が良い。『パトレイバー』という世界観を巧く補完している。
一方で「サード・ミッション」は落差が激しい。せめて二つのエピソードの順番が逆であれば受ける印象も大きく違ったと思うのだが。
アクションパートは不要。
ＦＩＬＥ７ ブラック・ジャック＜前編＞ ＦＩＬＥ７ ブラック・ジャック＜後編＞
特車二課に研修生がやって来た。新設される大阪府警レイバー隊の先輩として彼らを指導する立場に立った野明たちは、なんとなく落ち着かない。
そんなある日、特車二課にある噂が伝わってきた。近々特車二課が“解散”するというのだ。折しも後藤隊長は、どこへ行くとも告げずに５日間の出張中。後藤隊長の出張はもしや、二課解散と関連があるのではないか……。
新鋭横手美智子の手による「機動警察パトレイバー」オリジナル小説シリーズ、初の長編で登場。 ――前編表紙裏より
かつては“剃刀”と言われた後藤隊長を変えてしまったものは何か。研修生乙訓の言葉に刺激されて、後藤の過去を探ろうとする野明と遊馬。そんな時、勃発した地下河川工事現場での事件。正体不明のレイバーが作業員の制止を振り切って禁止区域に侵入したという。初めは単純なイタズラかとも思われたこの事件、実は犯人たちは警視庁に恨みを持っているらしい。しかも、後藤隊長の過去ともかかわりがあるかもしれない……。
懐疑と混迷の果てに、野明が後藤隊長の中に見出したものは！？ オリジナル長編＜ブラック・ジャック＞感動の完結編。 ――後編表紙裏より
まるでミステリーのような展開を見せる物語。後藤隊長の心情は殆ど描かずに、彼の内面に迫って行く。
前編は名作と言っても良い出来で、とにかくグイグイ引き込まれる。乙訓の存在、特車二課解散の噂、後藤の自宅……これらのトピックの配置が絶妙だ。
一方で後編は少々期待外れ気味。真相自体は良いのだが、そこに至るまでの過程に多少無理が有った。ロボットアクションのパートを減らして、謎解きは謎解きとして読みたかった、という印象。