正にタイトルの通りに突き進んだ書物。
プロローグ 失われた<世界>を求めて T 「複雑系」のほうへ 第1章 「複雑」とはどういうことか 1 最後の一葉、あるいは複雑な現象 2 複雑を問う者としての人間 第2章 いま、なぜ「複雑系」なのか 1 時代は複雑になっているか 2 パソコンを駆るノマドたち U 花咲く「複雑系」の影に 第3章 「複雑系」のフロンティア 1 サンタフェ研究所創世記 2 サンタフェ用語の基礎知識 3 複雑性から困惑性へ 第4章 人工生命の複雑な未来 1 既知の生命からあり得た生命へ 2 もう一つの生命圏の誕生 第5章 コンピュータの中の遍歴 1 生成と崩壊のダイナミクス 2 複雑なものを複雑なままに V 囚われの科学、逃げ去る自然 第6章 「科学」とはなんであったか 1 ユークリッドとニュートンの関係 2 時計仕掛けの自然 3 二極化した保守科学 第7章 秩序と混沌のはざまで 1 カオス前史を歩く 2 カオスの発見と再発見 3 『非線形』という名の本 4 平衡から遠く離れて エピローグ 見出された<世界>
恐竜たちが帰って来た。
もちろん、現実の話ではない。スクリーンの上に、恐竜たちが戻って来たのだ。 ――本文9ページより
複雑系とは何なのか――この為だけに突き進んだと言って構わない論文となっている。難解な部分も少なくないが、じっくりと読めば専門的な知識が無くてもギリギリで理解が出来るレベルとなっている。
複雑系というものに対して、科学的・感覚的・具体的と様々なアプローチを試みており、何となく世界の真理の一面を垣間見れた気にさせてくれる。