あなたはいつも 泣いてるように笑ってた
迷いの中で 傷つきやすくて
地図を開いて いたずらにペンでなぞる
心の羽根は うまく回るでしょ? ――JUDY AND MARY (Over Drive)
綺麗なはずのすっとした手も これで見納めかなぁ?
今になっちゃえば名残り惜しく思える
話し合ったって何一つ 分かり合えないけど
終わりにするって答えだけは同じ
あなたの口づけで僕が変われたならいいのに
お互いの両手は自分のことで塞がってる ――Mr.Children (Bird Cage)
生命のなんたるかを理解することは、死のなんたるかを理解することと等しい。 ――竹田 信 (殺戮にいたる病 210頁)
ただキレイなものばかりを 漁るのはやめなよ
疵のつかないもの この世にない ――T.M.Revolution (Out Of Orbit)
1つの疑問を放置しておくと、アナタという名の触媒の存在により、無数の“未知”を産み出す可能性が在る。それは正に“知らないの増殖”である。 ――kasa
そもそも完全な中庸など有りはしない。誰かが中正を保とうと意識すればする程、その人は中庸から遠ざかって行く。厳密に言えば人間は客体を得られないし、かと言って主体を切り離せば最早それは人間ではない。 ――kasa
名前というのはそれ自体に神秘的な力があり、人の運命に影響を与えるものだ、という考え方。あるいは逆に、運命の方に重点を置き、名前はあらかじめ決められた運命の適用を示す符号である、という考え。――姓名判断というのは、云うまでもなく前者の発想から来たものですね。実名ではなく、通称に重きを置いている点に大きな齟齬が見られるけれども。
とにかく、こういった言葉や文字、名前に対する過剰な拘り――纏めて云えば、いわゆる言霊信仰ということになりますか、これは世界中何処にでも見られる、かなり普遍的なものだと云えます。社会が、呪術から宗教へ、そして科学へとパラダイムをシフトさせて来た現代においても、それはやはり、どうしても逃れられないものとして僕らの中に生き続けていると思う。
だから――と論理的に直結出来るようなことでもないけれど――、偶然に何らかの必然を見出そうとするなら、それは何と云うか、僕たちが普段思考の拠り所としている――そう信じている――還元主義的な科学精神を否定する事に繋がってしまうわけです。 ――槍中 秋清 (霧越邸殺人事件 147頁)
例えばですね、あなたの名前が『的場あゆみ』であるのは、それに相応しい理由があるからそうなのだ、ということです。単に的場家に生まれ、その名を付けられたというレベルを越えたところで、何かもっと、あなたという人間の本質に関わるような、必然的な意味がある、と。
中世のヨーロッパになると、当然のことながら、そこに唯一絶対の“神”の存在が関わって来ることになります。事物も人も言葉も、全ては全能の神の創造物である。だから、物とそれを表現する記号との間の必然の結び付きとは、即ち神の意志である。そんな世界観が認められるわけですが。
つまり云い方を変えれば、これは名前が運命と関わって来るという思想ですね。 ――槍中 秋清 (霧越邸殺人事件 146頁)
名前に纏わる禁忌習俗は、日本や中国においても無論見られます。高貴な人の名前を直接口に出してはいけない、といった慣習が、この国じゃあ未だに残ってますよね。
“諱”というのがある。元の意味は『名を忌む』――『忌み名』です。これは今では、天皇の死後に敬意を込めて贈る称号――“諡”の意で使われるけれど、元々は、秘密にされるべき貴人の実名のことを指してそう云った。中国じゃ、この諱に関する避諱学という学問まであったと云いますよ。
要は、名前と事物との間に、単に名が偶然の符合であるという以上の意味が想定される――名前と本質とは一つの、そう、内的必然関係にある、というわけです。 ――槍中 秋清 (霧越邸殺人事件 146頁)
名前というのは、しばしば、単にその人物や事物の名称であるという以上の意味を持つとされますね。意味――そしてまた、そこにある種の力を見ることも、古来、世界の至る所において為されて来た。
未開社会や古代の社会においては、人の名前は単なる記号としてでなく、一つの実体として、つまり、あたかもその者の身体の一部分であるかのように捉えられると云いますね。例えば、古代エジプト人は、人間というものは『肉体』を初めとする九つの要素から成ると考えたらしいけれども、その中の一つは正に『名前』だった。グリーンランド人やエスキモー人なんかも、人間は『肉体』『霊魂』『名前』の三つが揃って初めて人間たり得ると考えたそうです。 ――槍中 秋清 (霧越邸殺人事件 145頁)
へそまがりで放っとく空 雨の粒の一つ一つに
AH! コンビニの傘なんかいらない このままびしょ濡れてんの
あたしたちって あってないの? 身体なら1ッコでいいのに
AH! 抱き合ったら こんがらがっちゃうよね 脳でなんかわかんないよ
カーブでふざけてコーラをこぼしたあの夏の地図は“せーの”で窓から投げた
どこにも行けずにボンネットの上 タバコをふかして初めてキスした
世界が ふっと 止まった ――川本 真琴 (DNA)
人が世界に謎を求めるとき、そこには必ず“ごまかし”があるわ――あからさまな不条理や絶対的な矛盾からは眼を逸らして、あやふやで人生に影響の少ない不思議を求めてしまう―― ――しずる (しずるさんと底無し密室たち 28頁)
誰しも心の中に密室を抱え込んでいる。誰にも言えないこと、表沙汰には決してできないことを、その中に貯め込んでいく――最初は、それは自分のささやかだがとても大切な壊れやすい気持ちを守るためだったかも知れない。しかしあまりにもそれを放ったらかしにしておくと、密室それ自体が強固なものになってしまう。隠すのにはそれなりに目的があったはずなのに、いつのまにか隠すことそれ自体が目的になってしまう。ただ意味もなく、大した理由もないのに、重要なことを密室で決めるようになってしまう。色々なものを隠し続けてきたあげくに、自分でもどんなものを貯め込んでいったのか把握しきれなくなってしまった密室で。 ――上遠野 浩平 (しずるさんと底無し密室たち 242頁)
ほらスピードあげて 君を好きになる ――倉木 麻衣 (FAIRY TALE)
例えば 気づけば 心を許せる仲間がいたりして
なんとなく余裕をもてるような 優しくなれるとか
例えば がんばってたら みんな見守ってくれたりとか
つらさも涙も 変わってゆく シュンカン
思わずお腹がすいてきて 鼻歌もどんどん奏でる
空がキレイだと思える La La La ……いいかも ――大塚 愛 (Happy Days)
意識が先鋭化するのは、危険で病的な状態である。 ――フリードリッヒ・ニーチェ (ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡 341頁)
アスファルト タイヤを切りつけながら 暗闇走りぬける
チープなスリルに身をまかせても 明日におびえていたよ
It's your pain or my pain or somebody's pain
誰かのために生きられるなら
It's your dream or my dream or somebody's dream
何も こわくはない ――TM Network (Get Wild)
降りしきる心の雨の只中で、傘も持たずに何を目指すや。 ――kasa
人間にとって最も恐ろしい“敵”の一つは、後悔の念だ。
ヤツラは僕らを呪縛し、内部まで蝕んで行き、やがて“何か”を破壊する。
しかし、後悔無しに精神的成長を遂げる事も難しい訳で。 ――kasa
どんな人間でも生きている事には“意味”が有る。
それが当人の満足を得るような“意味”か否かは不明だが。 ――kasa
例えば あなたがいて あたしは優しくなれるとか
あたしがいて あなたがいて 元気になれるとか
例えば がんばってたら ドジをふんだりして
頭なでなでとか からかわれたりとか
思わず外に出たくなって 前にもどんどん進めて
顔がにやけそうになるの こらえて ……好きかも ――大塚 愛 (Happy Days)
答えが見つからないもどかしさで いつからか空回りしていた
違う誰かの所に行く君を責められるはずもない なんとなく気づいていた 君の迷い
夢であるように 何度も願ったよ うつむいたまま囁いた言葉 哀しく繰り返す
激しい雨に 僕の弱い心は強く打たれ すべての罪を流して欲しかった ――DEEN (夢であるように)
分からないから、知りたい。
分からないから、知られたくない。 ――kasa
手に入らないから、「欲しい」と強く想う。 ――kasa
虚栄はかくも深く人間の心に錨を降ろしているので、兵士も、徒弟も、料理人も、荷役人足も、それぞれ自慢し、人の称讃を得ようとする。哲学者でさえも、それを得ようと欲する。栄誉に反対した論者も、よく論じたという事で栄誉を得ようと欲する。また、それを読む方も、それを読んだという事で栄誉を得ようと欲する。こんな事を書く私も、恐らく同じ欲望を持っている。そして、恐らくはこれを読む人達も……。 ――ブレーズ・パスカル (パンセ 断章六二七)
人間は自然の内で最も弱い一茎の葦に過ぎない。しかしそれは考える葦である。これを押し潰すのに、宇宙全体は何も武装する必要は無い。風の一吹き、水の一滴も、これを殺すのに十分である。しかし、宇宙がこれを押し潰す時にも、人間は、人間を殺すものよりも一層高貴であるであろう。何故なら、人間は、人間が死ぬ事を知っており、宇宙が人間の上に優越する事を知っているからである。宇宙はそれについては何も知らない。
それ故、我々のあらゆる尊厳は思考の内に存する。我々が立ち上がらなければならないのはそこからであって、我々の満たす事の出来ない空間や時間からではない。それ故、我々はよく考えるように努めよう。そこに道徳の根源がある。 ――ブレーズ・パスカル (パンセ 断章二〇〇)
リーザは貴様の十倍はヒューイ老師への忠誠に篤い。
わお、僕ってそんなに忠誠心低そう? 僕なんかリーザの百倍は忠誠心があるよ!
……その矛盾が成り立つには、両方とも忠誠心ゼロという結果しかないわけだが。 ――ホン・チーメイ & クリストファー・シャルドレード (バッカーノ! 1933 <下> THE SLASH 〜チノアメハ、ハレ〜 162頁)
あなたが他人に何かを隠しているとき、世界はその何十倍もの真実をあなたに隠している。 ――霧間 誠一 (“知らない”の増殖)【再掲】
あなたに対して最も多くの人間が抱いている感情は、好意でも悪意でもない。それは、ただの無関心だ。だから何かを始めたくない時は、関心を持たれない事だ。 ――kasa
人間には価値など与えられていない。人間だけではない。生物だろうが無生物だろうが、それが世界の中で独立に存在している訳ではない以上、そのモノ自体の主体的な価値を決定する事など、不可能に等しい。従って、価値は相対化の道を歩む。我々が通常時に用いる“価値”という単語は、正に相対化の道を歩む“それ”の残像を追っている様を表現しているに過ぎない。しかしながら残像とは、実体が有るからこそ存在を認められている訳で、それは取りも直さず、残像から実体へ再構成する事の実現可能性を示唆している気がしてならない。時にそれは、“希望”とも“絶望”とも呼ばれる。 ――kasa
お前にとって時間の本質とは何か、と質問された時、僕はいくらか考えあぐねた末、多分に自嘲的な気分でこう答えざるをえない。つまりそれは、時計の動きであると。この機械によって初めて、僕たち現代人は“時間”を明確な形として捉えることができる。僕らは時計によって時を計り、時を支配しているつもりでいるけれども、実のところは逆に、時計の動きが創り出す“時間”によって肉体と精神を拘束され、支配されているのに他ならない。 ――鹿谷 門実 (時計館の殺人 555頁)
“現実”は決して強固な実体じゃない。極論すればそれは、社会というシステムが人々に見せている一つの巨大な幻想にすぎないわけでね。“現実”という名の巨大な幻想を造り出し、これを確かな実体として万人に認めさせ、信じさせるような圧力を加え続けることが、この社会というものの最大の役割なんだと思う。そうすることによって初めて、人々に安定が供給されるわけだ。古代から現代に至るまで、基本的にこの図式は変わっちゃいない。 ――鹿谷 門実 (時計館の殺人 382頁)
認識とは対象の模写などではなく、主観が感覚の所与を秩序付けることによって成立する事だ。 ――カント
論理的に言えば、記憶されている出来事が実際には起こっていなくとも、そのような記憶の信念は生じ得る。そもそも過去が全く存在していなくとも、記憶の信念は生じ得るのである。世界が5分前に、正に5分前にそうあった通りの状態で、そして人々もまた全く非現実の過去を「覚えている」状態で突然存在し始めたのだという仮説を立てても、この仮説は論理的に不可能ではない。異なった時点の出来事の間には何ら論理的必然的関係は有りはしない。それ故、現実及び未来に於いて起こる如何なる事も、世界が5分前から始まったという仮説を反証し得ない。かくして、過去についての知識と呼ばれる物の成立は過去とは論理的に独立であり、全面的に現在の内容に分析可能な物なのである。そしてその現在の内容は、理論的には、例え過去が存在しなかったとしても、今我々が手にしている通りの内容で有り得るだろう。 ――ラッセル (心の分析)
他人の見ている色が自分の見ている色と同じかどうか、自分が「赤」と呼んでいる色は他人が「赤」と呼んでいる色と本当に同じ色なのか、君は考えたことがあるだろうか。 ――野矢 茂樹 (哲学の謎 76頁)
“あんなに愛し合った”と何度も確かめ合い信じて島を出たのね
だけど飛魚のアーチを潜って宝島に着いた頃 あなたのお姫様は誰かと腰を振ってるわ
人は強いものよ とても強いものよ
そうよ飛魚のアーチを潜って宝島が見える頃 何も失わずに同じでいられると想う?
きっと飛魚のアーチを潜って宝島に着いた頃 あなたのお姫様は誰かと腰を振ってるわ
人は強いものよ そして儚いもの ――Cocco (強く儚い者たち)
誰かを傷つけて 奪った恋なのに 半年も経たない内に 愛の欠片も消えた
落ち込んだ束の間 また恋をしたけど 愛じゃない寂しさを埋める 恋人というロザリオ
人はどうしてキスをしたがるの? 人はどうして二人で眠るの?
We can We can any time! マジか分からない 心何も言わない
苦しいほど切ないほど 好きな人に会いたい 街が生まれ変わるくらい 愛しい人に会いたい
そして何時か振り返れば 懐かしい思い出を 熱く語る自分になるため歩くよ History ――林原 めぐみ (Going History)
これは私としての説だが、なつかしい時代においては、多くのものがすなおだった。とくに芸術作品で。小説も詩も、絵画も建築も、わかりやすく、美しく、楽しかった。
それが、しだいにひねくれてくる。前衛絵画だって、少数のすぐれた人はいるのだろうが、まあ、わからないのが大部分。建築だって、前衛的なのは、周囲との調和など、おかまいなしだ。
困ったことだ。すなおに面白がれるものが、大きく減ってしまった。香港製のカンフー映画など、だれが見ても楽しいと思うが、そういうのは評価されなくなってしまった。 ――星 新一 (きまぐれ遊歩道 206頁)
大抵の失敗は、成功するチャンスが有ったにも関わらず、自らそれを放棄してしまう事に因る。
ヒントが目の前に与えられていたのに、それを大した事だと思わなかったりした為に。 ――kasa
大丈夫、大丈夫。大学ってのは8年生まではOKらしいし。 ――真山 (ハチミツとクローバー 第1巻 9頁)
疑う事は、美徳である。 ――星 新一
想いは 正しく伝わらない。 ――時雨沢 恵一 (キノの旅[ the Beautiful World 12頁)
話など、殺してからでも十分できる。
いや、できないだろう、さすがに。 ――アイシャ・ログフォート & リロイ・シュヴァルツァー (ラグナロク11 獣の系譜 88頁)
“あなたなら わかってくれる” その一言に 案外弱くて
徹夜で飲みも つきあい合コンも 行きたきゃ別に 行けばいいんじゃない?
ちゃちな嫉妬が また命取りダサく見られそうで
釣った魚に 餌を与え続けてる 見返りの多さに ――T.M.Revolution (独裁)
シャーネは俺と生きてくれる事を選んでくれた。俺の世界の一部になってくれる事を、俺と世界を共有する事を約束してくれた。許せないな……その『敵』どもは、シャーネの顔を傷つけたんだな? それは――俺の世界を傷つけたのと同じ事だ。俺の身体を傷つけたのと同じ事だ。というか、女の顔に傷をつける奴は許せん。男の風上にもおけないな。
いやそれが、その相手も女なんすよ?
……俺は男女平等主義者だ!
無茶苦茶だよこの人!? ――クレア・スタンフィールド & チンピラ (バッカーノ! 1933 <上> THE SLASH 〜クモリノチアメ〜 267頁)
世の中で『美学』などと呼ばれるモノの大半は、単に自分の我侭を通そうとか、怠慢さを隠そうとしているだけだ。
そんなモノなど――本当に存在して堪るか。 ――kasa
フフフ。ハハハハハ。これだから、これだから実験はやめられない。
エルマー。エルマー。君が見ていたらなんというだろうな。モルモットという奴は、時折こちらの予想外の行動を起こす。だからこその実験だ。
『誰にも話してはいけない』この私の命令を聞いて――シャーネは、私の娘は、己の決意を表明するためだけに――声を失う道を望んだんだ。何という忠誠心だろう!
なあエルマー、笑顔中毒者、MR.ハッピーエンドよ。あの哀れなモルモットに幸せな一生が訪れると思うかい?
ああ、答えは僕が自分で見届けるとしよう。それが、研究者としての義務だからね……。 ――ヒューイ・ラフォレット (バッカーノ! 1933 <上> THE SLASH 〜クモリノチアメ〜 7頁)
胸に胸に空をつめて 青色の深くに沈みたい
どこまでも果てなく夜空をまとい 新しい世界を探そう
会いたくて会えなくて揺れまどうけれど 目覚めた翼は消せない
何が正しいなんて答えは無いさ 枝分れした道 神のみぞ知る
止められないスピード加速するほど 鼓動は高く高鳴り覚えていくよ
何もかもが墜ちてくけど 君だけは大人にならないで ――ラルク・アン・シエル (DIVE TO BLUE)
アドレナリンずっと流して 僕の方がオーバーヒートしそう
爆発して灰になっても このままだと笑ってるね きっと
街を追い越して この世の果てまで
ぶっ飛ばして心中しよう さぁ手を伸ばして!
地平線に届くように限界まで振り切ってくれ
Woh! Clash! Into the rolling morning
Flash! I'm in the coolest driver's high
最高のフィナーレを! Yeah! ――ラルク・アン・シエル (Driver's High)
この丘の上の景色は 今の所僕だけのもの
遠くで素足のままはしゃぐ子供たち とても無邪気だね
夏の夕暮れはモノ悲しく オレンジの雨が全てを染め
時には小さな涙さえ ひと夏の想い出に変えてしまう ――SHAZNA (SWEET HEART MEMORY)
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
ゴミできらめく世界が 僕たちを拒んでも
ずっとそばで笑っていてほしい ――スピッツ (空も飛べるはず)
人の心はどうしても何か足りないけれど
そこんところ埋めるべきなのは
恋人じゃない 親でもない ねえ そうでしょう ――B'z (Love me, I love you)
人と人の縁は、そんなに簡単に切れないんですよー。形が無いから、空気みたいだから、切ろうとしても切れないから……。
でもねー、その分だけ、人の身体っていうのは簡単に切り刻めちゃうものなんですよー。形があるから。僕の鋏で簡単に簡単に壊れるんですー。それが、僕は悲しくて楽しくて。
だから、僕は確かめるんですよー。人の心はー、人の縁はー、形の無い『絆』っていう奴はー。どれだけどれだけ『傷み』っていうのに耐えられるのかをー。僕はー、それが見たくて楽しくてー……。何人も何人も何人もー。ずっとずっと試してるんですけどー。
人間って、不思議ですよねー。傷みじゃ絶対に義理を裏切らない人もいるしー、中には何にも痛くないうちからペラペラ喋っちゃう人もいるしー。 ――チック・ジェファーソン (バッカーノ! 1933 <上> THE SLASH 〜クモリノチアメ〜 30頁)
やはり勝つには先手を打つ事だ。 ――L & 夜神 月 (デスノート 第3巻 82頁)
数学のアイデアは、さまざまな経験から生まれる……だが、ひとたび思いつかれると、その主題は、おもしろいことにひとり歩きをし、ほかの創造的アイデアとくらべてもすぐれていると見なされ、やがて完全といってよいほど、外観を整えることが優先されてしまう……数学の原理が一般に広まり「抽象性」がいっそう拡大すると、衰退の危機におちいる……そのときの唯一の治療法は、ふたたび原点まで戻ることだ、と思う。つまり多かれ少なかれ、ただちに経験的アイデアをまた注入すればよいのだ。 ――ジョン・フォン・ノイマン (ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡 310頁)
この世界は俺のものだ。ひょっとしたら、この世界ってのは俺が見てる長い長い夢の中じゃないのかとさえ思ってる。だってそうだろ? ひょっとしたらお前らは幻かもしれないし、俺にはお前が存在しているのか証明が出来ない。つまり、この世界は俺中心って事だと思ったわけだ。俺が『できる』と信じた事は絶対に出来るし、多分俺が寿命で死にそうな時、不老不死の薬とかが出来るに違いないさ。もしくは今見てる夢から覚めて、また別の夢に行くんだろう。つまり、俺の存在は永遠ってわけだ。
俺は想像力が乏しくてな。自分が死んだ後の事が全く想像できない。考えられないんだよ。『無』って奴が全く想像できないんだ。よく、「死んだ後は永遠の闇だ」とか言うけどよ。無ってことはその闇すらも感じられなくなるわけだろ? それが想像できない。自分が無くなるってのが想像できねえんだよ。だから、あれだ。つまりこの世界に完全な『無』なんてもんは存在しねえ。でも、俺以外の奴は死んだら消えちまう。その結論から逆算してって、こういう結論に達したわけだが。つまり、この世でなくならないのは俺だけ。だから、この世は俺のものだ。他の奴らは、俺の見てる夢のようなものに過ぎないってな。
一言で言うとあれだ、俺が出来ると信じた事に限り、俺に不可能は無いって事だ。 ――クレア・スタンフィールド (バッカーノ! 1931 特急編 The Grand Punk Railroad 155頁)
手前はあれか? 戦場で銃をもった子供が向かってきたら殺さないで同情して助けちまうとでもいうのかよ? 手前が言ってるのはそういう事だろこのボケ!
助けるけど、何か?
甘さや同情ってのは、強者だけが持ちえる特権だ。そして――俺は、強者だ。 ――ラッド・ルッソ & クレア・スタンフィールド (バッカーノ! 1931 特急編 The Grand Punk Railroad 153頁)
これらの数学者たちは、ひどく排他的だった。お高くとまって、そこからほかの人々を見くだしていた。このことは、女性との付き合いでやっかいな問題を引き起こした。 ――ジッポラ・レヴィンソン (ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡 245頁)
“敵の敵”が味方とは限らないように、“味方の味方”も味方とは限らない。 ――kasa
話す言葉につまっても 大丈夫心配いらないいらないよきっと
出会ってまだ少しだけど あなたとのことはきっとピントきてた
世界中で誰かが誰かに会い ある時ひらめいたらその時 恋に落ちる ――MY LITTLE LOVER (Man & Woman)
嘘つくのはいいよ、別に。俺もつくから。 ――ハーヴェイ (キーリX はじまりの白日の庭(上) 261頁)
本当に手に入れたいものがあるのなら、だれかを踏みつけてでも進むべきだ。 ――野田 敦 (H2 My First WIDE版8巻 350頁)
夕海もこの島が好きだろう? 好きな奴の事は、隅から隅まで知りたいじゃないか。なあ? ――霧野 夕海の父 (バウワウ! Two Dog Night 130頁)【再掲】
本当に秘密にしたいなら、誰にも話すべきじゃない。特に知られたくない相手に対して、自分以上に強い繋がりを持った相手には。 ――kasa
2年まえの予選準決勝、対西条戦――おれのしるかぎりでは、上杉和也最高のピッチングさ。
こいつと戦うために野球を始めたんだよ、おれは――なん度もなん度も手の皮をボロボロにして、それでもバットを振り続けたのは、上杉和也の球を打つためなんだ。そして、それは…一度はあきらめた夢だった。
上杉達也に感謝するよ。明日の決勝戦、あいつは完全に上杉和也になりきってくるだろう。――そして、上杉和也としておれと戦い、上杉和也としてきみに甲子園を贈る。ちがうかな?
とにかく…勝つにしろ負けるにしろ、戦うべき相手と戦えるのは幸運だよ。だけど、あいつは、上杉達也はだれと戦えばいいんだろう。 ――新田 明男 (タッチ 文庫版12巻 137頁)
いいカンしてるなァ、わたしって。しかしまずいぞ。変なクセがついてしまいそうだ。
わたし以外の人を本気で愛してる人にしか魅力を感じなくなってしまったら、困るんだけどなァ。 ――住友 里子 (タッチ 文庫版14巻 316頁)
必死になれない恋愛なんて、恋愛でない。 ――山崎 雄介
無限というのは、大小の概念とは別物なんですよ。百よりも一万、一万よりも一億の方が大きい。その果てに、もっとも大きいものとして無限がある。無限というのはまったくこういうものではないんです。無限というのは、数でも量でもありません。少なくとも私はそう思っています。 ――タジマ先生 (無限論の教室 10頁)
裏切りが悪い事だってのはさ、頭の中では理解できるんだ。怒らなきゃいけないってのも理屈では解るんだ。……でも、別にネジロに対してどうこうしようって気にはならないんだ。
そんなことよりさ、メシの食い方が解らないんだよ。
お前がいないと困るんだよ。俺達、どう生きていいのか解らないんだよ。 ――『ラッツ』 (Mew Mew! Crazy Cat's Night 304頁)
よろしいですか、よろしいですか?
例え、例えですね、明日死ぬとしても、やり直しちゃいけないって、誰が決めたんですか?
誰が決めたんですか? ――古畑 任三郎 (古畑任三郎 第3部第5話 再会)
数少ない特別な人たちから離れて、ぼくは荒野をさまよって途方に暮れている……だから、だから、いろいろな意味でほんとうに苦しい。 ――J・F・ナッシュ (ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡 242頁)
良いことにも悪いことにも自分に対して正直になるということは、勇気だ。 ――坂本 金八 (3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!)
俺たちは――途中だ。
みんながみんな、途中で生まれてきて、中途半端に生きて、途中で死んでいくんだ。自分たちが何を目指しているのか、正確に知ることもなく――しかし。
しかし――それがどうした。 ――工藤 兵吾 (あなたは虚人と星に舞う 224頁)
世界には、きっと最初から決められた意味も目的もないんだと思うわ。
意味があるとか、ないとか――真実であるとか、虚偽であるとか、そういう単純なものじゃないのよ、世界は。もしも、ほんとうに世界の敵というものがいるならば、それはきっとひとつきりの真実以外はすべて虚偽だと決めつけて、それ以上のことは何もしないという、そういう発想そのものなんじゃないかしら。 ――鷹梨 杏子 (あなたは虚人と星に舞う 183頁)
そんなに難しいことなのかな、生きるって。苦しいなら苦しくないようにしようとする、つまらないなら面白いことを見つける、生きるってことはそれだけのことじゃないのかな。そんなに難しいとも思えないけど? ――シーマス (わたしは虚夢を月に聴く 170頁)
人はよく新しいことをしようとしては昔にも前例があるといって嘆く。だが、すべては過去と同じようで、未来も似たようなもので――
しかし現在と同じものなど二度とこの世には顕れないし、過去に存在したこともない。 ――??? (海賊島事件 5頁)
数学の功績には二種類ある。数学史にとって有用なものと、単なる精神の勝利である。 ――パウル・J・コーエン (ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡 225頁)
警察官として大切な事はな、大切とも言えんか、常識だな。それは――
死なないことだ。自分の身を大事にすること。保身だよ。 ――後藤 喜一 (機動警察パトレイバー4 ブラック・ジャック<前編> 138頁)
言い訳は巧い者と下手な者が居るが、両者に共通しているのは言い訳しなくてはならない状況を生み出した時点で負けている、という事だ。 ――kasa
愛する事を教えてくれたあなた。今度は忘れる事を教えて下さい。 ――アイリス・マードリック
数学者はいずれも、ふたつの異なった世界に住んでいる。いっぽうでは、完全に精神的で透明な世界に住んでいる。つまり、氷の世界のようなものだ。だが同時に、すべてがはかなく、曖昧で、変化してやまない、常識の世界にも住んでいる。数学者は、このふたつの世界を絶えず行き来している。彼らは精神の世界では立派な大人であるが、現実の世界では何もできない赤ん坊にすぎない。 ――S・カペル (ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡 140頁)
強さとは、力があることではない。優れていることでもない。大きいことでも勢いがあることでもない。弱くないということも負けないということも意味しない。強さとは結局のところ、他の何物とも関係のない、それ自体が独立した概念であり、それを真に手に入れようとするならば、勝利や栄光といった他のすべてを犠牲にすることを覚悟しなくてはならない。 ――霧間 誠一 (ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕 9頁)
わたしは、周囲から影響されないようかたくなに身を持していたが、結局はそれが自分のためになった。 ――ルートヴィッヒ・ヴィトゲンシュタイン (ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡 91頁)
会話はたがいの理解を深めるが、孤独は天才を育む学校だ。 ――エドワード・ギボン (ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡 80頁)
クズの殺し合いを止めるのに、何か理由がいるのか? ――葛原 宗司 (バウワウ! Two Dog Night 251頁)
夕海もこの島が好きだろう? 好きな奴の事は、隅から隅まで知りたいじゃないか。なあ? ――霧野 夕海の父 (バウワウ! Two Dog Night 130頁)
夢から覚めたか? ここは映画なんかじゃなくて、ただの現実なんだって事に。人と人とのケリなんざ、ハリウッドのB級映画みてえに簡単につけられねえって事に気付いたかよ。 ――戌井 隼人 (バウワウ! Two Dog Night 295頁)
おれの初恋は、中二の終わりだったんだよ。
――だから、もう一度、中一に戻れたとしても、おれはまた喜んで英雄におまえを紹介するし、そして、また1年半後に気がつくんだよ。
おれの思春期が1年半ずれてた。それだけさ。 ――国見 比呂 (H2 My First WIDE版8巻 315頁)
おれは……何もわかってなかったのか……。 ――橘 英雄 (H2 My First WIDE版12巻 529頁)
気持ちは変えられない。
忘れるだけなら、或いは。 ――kasa
じゃあ、最後に残っていた不幸ってのは、いったいなんだったんだ?
“未来”よ。 ――霧間 凪 & 末真 和子 (ブギーポップ・イン・ザ・ミラー 「パンドラ」 12頁)
ねえ。見えるようになって、目の前にきれいさっぱり何もなかったらどうする? ちょっと嬉しくない?
ああ。でも、そんなことはありえないことを、ボクは知ってるからね。 ――エルメス & キノ (キノの旅V the Beautiful World 12頁)
未来が見えないのは、真暗だからかも知れないし、輝いているからかも知れない。
或いは、そもそも存在しない、という可能性も―― ――kasa
美しいと思うから、美しいと思う。 ――時雨沢 恵一 (キノの旅X the Beautiful World 9頁)
何せ、この世界は俺にとって都合がいいように出来ている。
仮に自分が死んだとしたら、この世界は夢で、俺はただ本当の現実世界でまた夢を見続けるのだろう。
とりあえずそういう方向で。 ――クレア・スタンフィールド (バッカーノ! 1932 Drug & The Dominos 127頁)
何が正しいのか? 誰が正しいのか?
何か正しいのか? 誰か正しいのか? ――時雨沢 恵一 (キノの旅U the Beautiful World 9頁)
諦めたら終わり。諦めれば終われる。 ――kasa
『“常に背信”戦略』に対抗しよう。 ――kasa
猪突猛進――それもまた一つの強さ。 ――kasa
真理と言う物は掴んだかと思っても既に手の中からは無くなっている。
まるで雪のようだが、雪ならば人間が制御する事が可能である筈だ。
“実体が無い”という真理の性質は、それが人間の手に余るという事を何ら意味しない。 ――レイク・フォスナー
“歴史の裏側を見付ける”だって?
歴史は何時だって真実を告げているさ。問題が在るとすれば、それは常に解釈する側だ。
だから歴史から読み取れない真実が有るなら――それはきっと何かが隠しているんだよ。 ――バークス・オーラン
姿を見せない限り敵の優位は続くが、少なくともこちらが動かないことで次の一手を誘い出すことはできる。
……動かないものの、動くものに対する優位。より速いものをより遅いものに従わせる、戦略としての<速度>……。
……静止こそ最大の<速度>だ。 ――後藤 (機動警察パトレイバー TOKYO WAR 前編 148頁)