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選択肢の罠

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選択肢が与えられても、その中に正解が有るとは限らない。

僕達は選択肢が与えられた時、その中に正解が有る事を、無意識の内に前提にしていないだろうか? 例えば試験で選択肢問題が出題されたら、その中には必ず正解が与えられている筈であり、僕達は「選択肢の中でどれが正解か?」を考える事になる。(稀に「全てが不正解」という選択肢問題も有るが、その場合は問題文中に、その可能性が示されている筈である。そういう意味では「全てが不正解」も選択肢の一つだ。)

そして正解を選べば点数が与えられ、そうでなければ点数が与えられない。正答・誤答の区別が、これ以上無い程はっきりしている。分かり易い。しかし試験の選択肢問題は正否が分かり易くても、実生活上に於ける様々な選択は、正否が非常に分かり難い。

選択肢が有限な以上、確かに「ベストな選択肢」というのは存在するのだろうが、それが「正解(=有益な選択)」とは限らない。どんな選択肢を選んでも不利にしかならない状況というのが、この世には溢れ返っている。しかし僕達は選択肢が与えられると、そのどれかが正解だと思ってしまいがちだ。

「森林保護と地球温暖化」の問題が正にそれで、僕達には「森林を保護しようとするか、否か」という選択肢が与えられている。これだけを見ると、どう考えたって「森林を保護しようとする」のが正しい選択肢であり、結果として「木材の代替として他の素材を使おう」という行動に発展していく。

しかし、この選択肢は誤りである。この行動は地球温暖化を促進させてしまう。(詳しくは「森林保護と地球温暖化」を参照。)

実は「森林を保護しようとするか、否か」という選択肢には、完全な正解など存在しない。森林保護の為に木材以外の素材を用いれば地球温暖化を促進させるし、逆に森林を保護しないのは論外だ。僕達には精々「どの選択肢が最もデメリットを小さく出来るか」を考える事しか出来ない。結果、「地球温暖化を抑制する為に木材を使用しつつ、植林を行って森林を可能な限り保護していく」という新たな選択肢を生み出す訳だが、これだって「完全な正解」とは言い難い。

しかし当初の、単なる「森林を保護しようとするか、否か」という選択肢よりは、遥かにマシな選択肢である。正解ではないかも知れないが、「既存の選択肢に正解が存在しない」という事を仮定した上で考えた結果、ベターな選択肢を生み出す事に成功しているのだ。

以上よりイイタイコト。

実生活上では選択肢が与えられても、その中に正解が有るとは限らない。完全な正解など、無い事の方が多い。しかし既存の選択肢を全て疑う事で、よりベターな選択肢を生み出す事は可能である。


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