幾つか疑問が有ります。
2つ目の疑問は、
他のリンクから跳んで来る事を呼び掛ける事によって、どれくらいの効果が有るのか、という事です。僕は幾つかのランキングサイトにサイトを登録していますが、例えば
テキスト庵のランキングでは2005年2月28日現在、27位にランクインしています。
そこでもし、「
ランキングの27位である僕のサイトを1回クリックして、再び戻って来て下さい」と呼び掛けたら、どのくらいの読者がそれを実行してくれるのでしょうか。
以上の2つの実験には、幾つかの意図が有ります。1つには、上記のような行為は僕のサイトでは殆ど行っていませんでしたが、しかし他サイトでは決して珍しい行為ではありません。一方で、
このような行為は時に批判の対象となりがちです。僕が登録している
日記才人のヘルプにも、以下のような注意が書いてあります。
<<注意!>>ボタンのメッセージが変わったりダイアログメッセージが出たりするような仕掛けのあるボタンについては、「日記自体の評価ではなくなってしまう」等、過去にその性質上問題視されたことがあります。ボタンを押させるためだけのメッセージ等を快く思わない読者がいらっしゃることも踏まえ、各自の判断で設置してください。
しかし僕としては、
「そのような行為によって、実際に現実評価との乖離が発生するのか?」という事が疑問だったりする訳です。「どっちにしても、そんなに変わらないんじゃないのか?(だから問題無いんじゃないのか?)」と。
もう1つの意図は、一般的な読者はサイト管理人に対してメールを送るなどの行為に至る事は稀である、という事は他サイトの記事を紹介したり、自分でも
「“アクセス数=無言の感想”という捉え方」というテキストを書いて来た訳ですが、では
“ボタンを押す”とか、“リンクを跳ぶ”とか、そのようにサイト管理人に対して直接的ではないアクションを起こす事に対しては、どの程度の心理的抵抗が有るのだろうか、という事です。
以上を解明する為、ちょっとした実験を行うに到りました。日記才人については、すぐにも結果報告が出来ると思います。テキスト庵は1週間毎に集計を行っている為、結果報告は1週間後になると思います。そこで
テキスト庵のランキングに関しては、トップページ最上段で1週間ほど“呼び掛け”を行ってみます。ちなみにどちらに関しても効果が有るのは1人1日1回だけですので、1日に何回も実験に付き合ってくれる必要は有りません。
また読者の心理的抵抗感を計る目的も有りますので、積極的に協力する気が起きない場合はそのままでOKです。例えば上のボタンの内容をボタンを押さずに知りたければ、「マウスを右クリック→ソースの表示」などで見る事が可能です。
さて、まずは日記才人での実験結果について。
まず僕のサイトは、2005年2月1日〜27日の間は毎日更新を続け、日記才人経由では1日平均56アクセスが有りました。また同様に、得票数は1日平均26票でした。アクセス数に対する得票数の割合は、約46%です。但し実際には日記才人経由でアクセスせずに、投票だけ行ってくれている読者も居ると思いますので、
このパーセンテージは必ずしも現実に即していない可能性が有ります。
さて昨日の日記に於いては、なるべく普段との差異がハッキリと現われるように、
幾つか疑問が有りますと書いた直後に、
1つ目の疑問はというボタンを設置するという、
かなり悪辣なボタンの設置をしています。昨日の日記に書いたように、僕としてはボタンの設置の仕方で得票数に大きな変化が齎される事は無いのではないか、という事を示したかったので、これで得票数が通常と余り変わらなければ、僕の仮説を裏付ける根拠となるでしょう。
――さて、実験の結果です。
お、多い……。マジですか。こんなに違うもんなんですか。これって
僕が覚えてる限りでは、自己最高なんですが……。
こうなると投票ボタンの設置方法次第では、日記才人のヘルプに書いてあるように、「日記自体の評価ではなくなってしまう」可能性は充分に考えられる訳ですね。しかし一方で、
アクセス数に対する得票数の割合は約46%で、通常時と全く変わっていません。これは見逃せない事実のように見えます。
ただ僕のサイトの場合は、日記才人経由のアクセス数が増加しても得票数は余り変わらない傾向に有る(つまり
アクセスが増えると得票率が低下する)ので、やはり
投票ボタンの効果が大きかったと考えられます。僕の持論は外れました。
以上より結論。
投票ボタンは設置の仕方次第で、得票数に大きな変化が生じる。
次にテキスト庵での実験結果について。

(↑先週のランキング)

(↑今週のランキング)
一番右の“○○ポイント”というのがランキング用の数値です。『テキスト庵』では“ポイント(スコア)”について、
アクセス数カウントのプログラムの実装およびランキングスコアの計算方法についてはテキスト庵運営者の恣意的一存で決まるものであり、また、公表もされないということを御了承くださいと書いていますが、恐らくは単純に
“ポイント=『テキスト庵』経由のアクセス数”だと思われます。
さて、となると“呼び掛け”とは関係無く、更新報告などに拠ってリンクを跳んで来た人数が先週と同じ42人だと仮定すれば、“呼び掛け”に応じてリンクを跳んで来てくれた人数は、延べ68人だと考えられます。
先週比にすると約2.6倍で、かなりの効果が有った事になります。
また一般の読者が
「“ボタンを押す”とか、“リンクを跳ぶ”とか、そのようにサイト管理人に対して直接的ではないアクションを起こす事に対しては、どの程度の心理的抵抗が有るのだろうか?」という疑問も提示していましたので、それについても考えてみます。
このサイトのアクセスカウンターは1日1000近い数値が回っていますが、これはサイト全体をカウントしている上に、同一IPなども弾いて居ません。
通常時の日記の読者数は400人前後です。その内、
わざわざ“リンクを跳ぶ”という読者にとっては面倒でしかない行為を、1日平均10人が行ってくれていた事になります。
これは全読者の2.5%であまり多くないように見えるかも知れませんが、僕は極めて高い数値だと思います。例えば“メールを送る”という、サイト管理人に対して直接的なアクションを起こす読者が現われるのは、10日に1人くらいです。延べで計算すると4000人に1人。全体の0.025%に過ぎません。つまり
“メールを送る”行為と比較すると、100倍の読者が“リンクを跳ぶ”行為をしてくれた事になり、明らかに
“メールを送る”と“リンクを跳ぶ”という2つの行為の間には、心理的抵抗感の違いが有ると判断されます。
以上より結論。
「他のリンクから跳んで来る事を呼び掛ける」という行為には一定の効果が有る。また、そのようなサイト管理人に対して間接的なアクションは、直接的なアクションと比較すると、読者の心理的抵抗感が大きく異なる。
最後に。今回の一連の実験に協力してくださった方々、どうも有難うございました。