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『蜂』シリーズ5 〜年寄りを尊重するミツバチ

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ミツバチの世界でも「亀の甲より年の功」という諺が在るかも知れない。

ミツバチの生活目標は「より多くの花の蜜を、より少ない労力で集める」事だと言える。少ない労力で餌を集める為にミツバチたちは“超個体”と呼ばれる程、コミュニケーションを発達させてきた。では、多くの蜜を集めるにはどうしたら良いだろうか? (※“超個体”については『蜂』シリーズ2を参照して下さい)

実は花には蜜を出しやすい時間帯が存在する。従って、その時間に蜜を取りに行けば良い。実際にミツバチたちは、そのような時間に餌を集めに行き、効率的に仕事を行っている。では彼らはどのようにして、その時刻を知るのだろうか?

その答が体内時計(サーカディアンリズム)である。ミツバチたちは個体単位で体内時計機能を有しており、それによって現時刻を知る事が出来ているのだ。

しかし体内時計で正確に1日が24時間と測れる訳ではない筈である。人間にも体内時計は存在するが、1日を25時間程度と感じてしまうようだ。また、個体差も大きいだろう。事実、ミツバチを1匹だけにして、そのミツバチが測る1日の長さを観察した結果、彼らにとっての1日は22〜25時間である事が判明している。だが一方、ミツバチの群全体では1日を正確に24時間として測れているのも事実なのである。

これはミツバチの場合、年齢が高い者ほどサーカディアンリズムが正確になっていく事にポイントが在る。つまり個々として体内時計の機能を持ちながら、群全体としては年を取ったミツバチの判断を支持しているのである。正に「亀の甲より年の功」だ。こんな所でもミツバチたちが“超個体”と呼ばれる所以を垣間見る事が出来る。

そしてこの体内時計と太陽の位置(太陽コンパス)を利用する事により、ミツバチたちは正確なミツバチダンスを踊る事が出来るのである。(※ミツバチダンスについては『蜂』シリーズ4を参照して下さい)


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